政局の動乱と地方自治体

今月の衆議院の総選挙から当分の間、自民党を中心とする構図は変わらないとしても中央の政局は揺れ続けるのは確実です。

地方自治体も一緒に右往左往する必要は全くありません。ただ政局の動向をよくにらんで対応することが不可欠です。

2009年の自民党から民主党への政権交代時に子ども手当をめぐって混乱が生じ地方自治体が振り回された苦い体験があります。

各市町村ごと個別に対応を考えるというより市長会や町村会、広域の協議体を開催し横の連携をとっておくことが大切だと思います。

市長会や町村会は、今回の政局の動乱の結果飛び出してくる地方政策にどう対応するかといった大きな課題を話し合う場でもあります。

最も警戒しなくてはならないのは大規模災害対応です。中央政治が混乱しているときに大規模災害が発生するのが一番怖いです。

東京都が一番大変です。小池知事が中央政局で飛び回っているうちに都内で大災害、大事故が発生したら相当の混乱でしょう。

中央政局が揺れている時にはえてして支持を得ようとして大胆な新機軸が飛び出してくることが大いに予想されます。

今回は、財源のない中、教育分野で政策合戦の様相を呈すると思います。絵に描いた餅的な政策に踊らされるてはなりません。

希望の党は、東京都知事が代表ですので地方関連の目玉政策を用意するはずです。地方政策の議論が盛り上がることは大歓迎です。

ただし、希望の党は東京、大阪、愛知を中心とする大都市連携を模索してます。大都市中心の政策となるのではないでしょうか。

大都市部の振興は日本の経済活力の増進に寄与するでしょうが大都市部に命の水をはじめエネルギー源は地方が供給しています。

大都市部と地方の共存共栄の基本をきちんと押さえて政策立案するよう地方都市は結束して行きませんと小池パワー圧倒されます。

小池都知事は、かつて橋下徹氏が大阪府知事、大阪市長時代に暴れまくった時代の再現を狙っているかもしれません。

具体の政策が全く見えないのがもどかしい限りですが、いずれ目玉政策を提起し国レベルに持ち上げて実現を図ろうとするでしょう。

その結果が東京一極集中をもたらし地方都市の疲弊を加速するだけだとしたらこれは日本国全体として決して好ましくありません。

メディアは東京中心ですので小池都知事の主張を派手に取り上げて地方都市の主張はかき消されてしまいます。この流れは要注意です。

大都市と地方都市のバランスをとりそれぞれの地域が、各地域に合った形での活性化を地方都市は求めなければなりません。

今回の総選挙は、希望の党の登場で久方ぶりに地方分権改革が話題となる可能性があります。しかし大都市だけの改革であってはなりません。

地方都市にもメリットを感じられる地方分権改革とすべきです。指をくわえてみていると地方都市だけが置いてけぼりとなりかねません。

全国規模の知事会、市長会、町村会の力の発揮しどころです。こうした混乱局面で活躍しなければ存在意義が問われることになります。