希望と失望は、紙一重。

希望の党の小池都知事は選別、排除の論理を前面に掲げました。民進党内のリベラル勢力を駆逐しようということだと思います。

政治家の度量としても当面の戦術・戦術としても誤った選択だと思います。日本の針路に希望の灯をともすことにはなりません。

小池都知事のようにタカ派的な傾向のある政治家がここで寛容の精神を発揮して、来るもの拒まずの対応をとったらどうなるでしょう。

民進党内のリベラル勢力は小池都知事に脱帽し今後の政策遂行に思想信条を超えて協力することは間違いありません。

マキアヴェリは『君主論』の中で支配したら寛大さをもって対応することで支持基盤を拡大することの大切さを述べています。

このタイミングでこそ寛容の精神で対応すれば労せずして小池シンパが一気にリベラル派にまで拡大していくことでしょう。

この選択を決断する度量としたたかさが小池都知事にないとすれば長期的にみれば大した実績は上げられないと思います。

小池劇場による一時の高揚などたかが知れています。小池都知事が本当に実績を上げたいのならばウィングを広げて色合いの違う勢力を虜にすべきです。

民進党をいち早く飛び出した細野豪志元環境大臣の立ち振る舞いも気になります。勝ち誇ったかのような顔つきに嫌悪感を抱きます。

「三権の長を務めた方は公認を控える」との発言をしてます。政治的な対立があろうともかつての同志に対する言い回しではありません。

小池都知事という虎の威を借りた狐以外の何物でもはないと私には見えてしまいます。細野氏が真の勇者ならば広く民進党を迎え入れます。

細野氏自身の地位を捨ててでもかつての同志に希望の党への結集を呼び掛けて安倍政治を止めようと訴えるはずです。

しかし現実の行動は真逆です。閻魔大王のようにかつての同僚の生殺与奪の権を握ったかのような振る舞いは権力が好物の狐に見えます。

小池都知事は、細野氏の一連の言動を見て本性を既に見破ったと思います。細野氏はいずれ袂を分かつ運命にあると私は予測します。

希望の党が選別、排除の論理を貫徹するのであれば希望という名の列車はいずれ失望に代わり最後は絶望の迷路にさまよいこむことでしょう。

今は政治信条で選別する時ではなく小池都知事のカリスマ性のもとに幅広い勢力の結集を図り安倍政治を止める時なのに残念でなりません。

小池劇場の熱狂に水をかけるところまでいくかどうかは不明ですが野党勢力の内紛は自民党にとって反転攻勢の材料となるでしょう。

小池都知事の選別・排除路線により小池劇場の規模は縮小します。かつて橋本徹氏が大阪を舞台に演じた大活劇を規模拡大した範囲だと思います。

日本全体を視野に大きなうねりを起こすところまで行き着くのは困難でしょう。小池都知事の神通力に陰りが見えれば勢いは止まります。

小池都知事は都知事のと二足の草鞋ですので希望の党に対する直接の指導力は発揮できないのも懸念材料です。とにかく選別・排除路線は誤りです。