今アイヌを学ぶのはなぜか。

東京・湯島で質の高い勉強会を毎週開催しているカフェサロンがあります。コンセプトワークショップという会社が主催です。

代表者の佐藤修さんより案内が届きます。1989年元エリートサラリーマンの佐藤さんが退職後設立し継続しています。

14日「今を生きる先住民族」というアイヌの話がありました。日本の生きざまを考えるテーマだと思い参加しました。

8月に甲骨文字が発見された殷墟のある中国河南省安陽市を訪問しました。国立文字博物館があり、少数民族のコーナーがります。

少数民族の言語や風俗が展示されてます。一方、中国当局は少数民族の漢民族への同化政策を居力に進めています。

中国を批判的に見る人たは少数民族の弾圧を取り上げます。確かに中国にとって少数民族問題はアキレス腱だと思います。

中国は急速に経済発展を遂げ世界の強国の地位を確立しようとしています。偉大なる中華の夢を再び追いかけだしてます。

この強大な国と日本は向き合わなければなりません。対等に付き合うためのキーワードは多様性だと思います。

世界各地の多様な文化を尊重するという基本を堅持してっ文化交流を進めることが重要だと思います。

日本の立場を鮮明に示すためには国内各地域に根差した多様な文化を尊重する政策をとっていてこそ説得力を持ちます。

これが私が今になってアイヌに関心を持ちサロンに参加した理由です。アイヌは日本の生きざまを考える重大問題なのです。

しかし実態はお寒い限りです。サロンにはアイヌの女性の方が参加されていてアイヌであることを隠して生きている現状を語ってました。

その方は45歳の時にアイヌ出身であることを隠さずに生きることを決めて20年近くになりますが多くの方は隠したままです。

私は独特なアイヌ文化の個性にまばゆさを感じますので差別意識は感じません。しかしアイヌの方はそうは見ません。

差別が怖くて沈黙しています。これではまっとうな先進国だとは言えません。中国に対してものを言うどころではありません。

サロンではニュージーランドの少数民族政策を紹介していました。先住民のマオリ民族は、自らの文化を堅持し共存しています。

アイヌとマオリの交流プロジェクトもすでに始まっており、アイヌが目標とする生きざまを学ぶ機会となってます。

マオリ民族は50万人でニュージーランドの人口の15パーセントを占めていますので存在感の違いがあります。

アイヌは25000人です。あまりに少数ですので忘れがちです。しかし少数だからといって排除してよいはずがありません。

むしろ少数者の文化を尊重しきちんと守りつつ日本全体と調和の道を歩んでいる姿を具体に示すことが先進性です。

日本政府は2020年の東京オリンピックの開会式でアイヌ文化を紹介するイベントを企画しているということです。

オリンピックやサミットといった巨大行事の時だけ政府の取り繕いの道具としてアイヌ文化が利用されてはなりません。

アイヌのような少数民族の文化を守り共存を図る道を歩むことが日本という国と日本文化の強靭性を示すことだと私は確信します。