総選挙4~余りにお寒い地方改革論議~

2009年8月の総選挙、自民党から民主党に政権交代がなされた選挙の政策論議の主役は、地方分権改革でした。

橋下徹大阪府知事の登場によってそれはなされました。今からみると信じられない出来事といってよいです。

橋下徹さんと横浜市の中田宏市長、松山市の中村時広市長、杉並区の山田宏区長、それと私で首長連合を結成しました。

橋下知事の音頭取りで首長連合として地方政策の分野では民主党を支持しようと立ち位置を鮮明にしました。

地方の側がこれほど強気に出ることができたのは橋下人気のなせる業でした。自民党政権も勢いを恐れていました。

橋下さんが主張することは通ってしまいました。国と地方自治体の代表が対等に協議する場の設立が典型です。

今回の総選挙で希望の党を結成する前の小池都知事は当時の橋下府知事以上に注目を集める存在でした。

橋下さんは大阪、小池さんは東京です。首都東京の顔のほうが影響力は全国に及びます。小池さんのひとことで変わります。

小池さんから地方政策に関して大風呂敷が広げられることを大いに期待しました。橋下さんの大阪都構想以上のものを。

しかし小池都知事の口からはそうした政策の発信はなされませんでした。総理を狙うならばひそかに温めていると期待しました。

希望の党の結成前後の小池都知事の勢いならば相当の荒唐無稽と思われることでも論議の表舞台に乗せることが許されました。

その後、例の排除発言で瞬く間に勢いはしぼみ現在は見る影もありません。こうなってしまっては発信力は期待できません。

日本をリセットすると言い切った小池都知事が、大胆不敵な問題提起をしてほしかったと残念でなりません。

私は現在の日本を根底から変える体制変革は遷都だと思います。天皇陛下が京都にもどられることが最大のインパクトです。

余りに刺激が強すぎるというのであれば休眠状態になっている国会等の移転論議の再開でも良いです。

とにかく東京への一極集中を根底から覆しませんと日本のリセットはできません。中心を政治的に移動させなければなりません。

二重の意味でこの問題提起は有効です。一つは首都直下型の大地震に備えるためのリスク分散に役立ちます。

天皇陛下が京都にもどられて現在の皇居が江戸城となれば首都東京の一大防災拠点として再整備することは可能です。

一方で天皇陛下が戻られることは、京都だけでなく関西全体が沸き立つことは間違いありません。

日本を根底からリセットする最上の良策だと思います。天皇陛下もきっと納得していただけると思います。

国会等の移転であっても大きな効果は期待できます。国会を含めて中央政府が東京から移転することで経済が活気づきます。

2020年の東京オリンピック終了後、日本の経済を浮揚させるインパクトのある政策は全く見当たりません。

経済の楽観は許されません。財源は、工夫すれば必ず生み出せます。歳出の無駄は多いし金持ち優遇税制改革もあります。

小池都知事への期待は幻想でした。総理に這い上がるならば度胸だけでは足りません。構想力も必要です。