総選挙9~公明党と共産党の退潮はなぜ?~

今回の総選挙は、安倍総理の賭けで幕を開け、小池劇場で盛り上がり、結果は与党の圧勝で終わりました。

安倍総理は賭けに勝ちました。しかし与党を一緒にくくるのには疑問が残ります。公明党は5議席減らしています。

公明党といえば全員当選と思ってしまうほど選挙は手堅いです。その公明党が30議席を割り込み29議席となりました。

私は事件だと思います。南関東ブロックの比例代表の得票は88万票から79万票へと落ち込み議席は一つ減らしました。

横浜市の住宅街が選挙区の神奈川6区で立憲民主党に競り負けて南関東唯一の小選挙区の議席がなくなりました。

いったい何があったのかと思わざるを得ません。メディアは与党の勝利ばかりを強調し公明党の趨勢を語りません。

出口調査の分析などを踏まえて結果分析を期待したいです。普段は公明党を支持する層が流れたかどうかです。

それとも連立与党の自民党支持層が流れたのか、あるいは無党派層が立憲民主に流れた結果なのか知りたいです。

投票率は下がっても強固な創価学会票に支えられて勝ち上がるのが公明党でした。その神話に陰りが出たとなるとやはり事件です。

公明党は、平和の党を自認しています。安倍政権のタカ派的体質とは相いれない部分が底流にはあるはずです。

公明党支持層の一部が安倍政権との連立に違和感を抱き続けていて票が流れたとの推定は無きにしも非ずと思います。

公明党の基盤が揺らいでいるとすると公明党として与党の中で存在感を示さないとじり貧の危険性があります。

公明党と同様、野党随一の組織力を誇る共産党は大きく議席を減らしました。21議席が12議席ですので惨敗です。

こちらは理由は明快です。立憲民主党に票をさらわれたと思います。主義主張が重なる部分が大きいです。

このところ共産党は市民との共闘を打ち出し、革新的な無党派層を取り込むことに力を注いできました。

立憲民主党というリベラル系の新党が立ち上がったことにより革新的無党派層は新鮮さを求めたといってよいと思います。

共産党もこれまでの路線を追求するだけでは党勢拡大はおぼつかないことになり再検討が迫られるでしょう。

無党派層は組織より自由を求めます。気まぐれといってはそれまでですが共産党の持つ堅いイメージとは距離があります。

立憲民主党という新党の誕生は共産党の勢力拡大を考えれば障害となったと言えます。これからもこの傾向は持続します。

今回の総選挙は、与党の公明党、野党の共産党という、与野党双方で強固な組織力を持つ政党が退潮となりました。

この事実が示す意味は何かを考えなければなりません。私は無党派層が動けば組織力を超える結果が出ることを示していると思います。

立憲民主党が、小池人気といった個人のカリスマ性ではなく立憲民主という理念を掲げ小さなブームを起こした意義は大きいです。

理念を堅持してぶれることなく取り組んでいけば革新的無党派層の支持は継続する可能性が高いからです。立憲民主党の今後に注目です。