総選挙11~内政・外政ともに本格論争不足~

10回に渡り衆議院選挙について様々な角度から記述してきました。自民党以外に現状では託せる政党がありませんでした。

野党側の離合集散の姿を見て国際情勢が穏やかならざるこの時期に野党に野党に一票を投じることにためらいが出たと思います。

自民党も他党を圧した高揚感はないのではないでしょうか。台風の目と思われた希望の党は自ら転落しました。

トランプ政権からの市場開放圧力、一筋縄ではいかない北朝鮮、強大化する中国の圧力に日本は直面しています。

国内に目を転じれば人口減少は進み中山間地は疲弊してます。少子高齢化で社会保障費は増加、一方で借金財政は天井知らずです。

内憂外患といってよいでしょう。幕末維新期の日本と状況は似てきました。本来ならば大転換期に日本はどう生きるという激しい論戦が必要です。

小池東京都知事が大論議を吹っ掛ければかなりの盛り上がりを見せたはずです。小池都知事は論戦の前に大失言で論を起こすどころではありませんでした。

排除発言は返す返すも痛かったです。論戦の機会を消滅させてしまいました。小池都知事の政治生命を揺るがすことは間違いありません。

安倍政権にとって懸念材料は二つあると思います。一つは公明党の動向です。議席を減らした公明党の対応に微妙な変化が出ないとも限りません。

余りに安倍政権に追随し過ぎたとの反省から独自性を発揮する傾向が強まる可能性はあります。支持母体の創価学会内の動向を注視する必要があります。

もう一つは立憲民主党です。立憲民主主義を掲げ安倍政権と対峙する姿勢で躍進したのですから安易に方針を変えられるはずはありません。

野党第一党が常に対決姿勢で臨むことは森友学園や加計学園問題を引きずっている安倍総理としては胸騒ぎの種の一つだと思います。

他の政党は、すべて選挙で負けましたので当面は野党的なスタンスをとらざるを得ないと推測します。

しかし国会内の情勢の変化以上に気がかりなのはこのままで日本は、本当に大丈夫なのかという懸念です。

当面は安定した政権で対応して欲しいとの国民の判断だとしても内外情勢が厳しくて日本が揺らぐことはあります。

一番の心配は戦争です。北朝鮮が追い込まれて暴発しない保証はありません。これだけは絶対に避けたいです。

圧力一辺倒の安倍外交に二より緊張が極度まで高まればノーの声は国民の間で巻き上がることでしょう。

また、憲法9条の改正を急ぎ過ぎれば同様に反発が出て国民の中の意見は二分され波乱材料となると思われます。

来年9月の自民党総裁選挙に向けて自民党内は完全に一枚岩とはいきません。常にさざ波が立つことと思います。

再来年は統一地方選挙と参議院選挙です。前哨戦となるのは来年11月の沖縄県知事選挙です。

翁長知事の再選が焦点となります。翁長知事が勝利すれば統一地方選挙にも波及します。

一連の選挙を通じて外政、内政ともに日本の針路をどのようにすべきかもっと本質的な論争を行う必要があります。

日本は岐路に立っていると思うからです。日本の平和と安定に向けての針路を明確にする論争をしなくてはなりません。