草の根平和外交のすすめ。

私の住む神奈川県開成町に円中という名前の自治会があります。円通寺と中ノ名という二つの集落が一緒になって自治会となりました。

開成町が誕生した1955年当時は、数十世帯の小さな自治会でしたが現在は600世帯を超えています。他地域から移り住んだ方が多いです。

とても自治会活動が活発です。この自治会に住む小学校の恩師から中国訪問の話をしてくれないかと声がかかりました。

(注)「よそ者」が作った自治会と当初表現していましたが適当でないとのご指摘がありましたので削除いたしました。「他地域から移り住んだ」と表現を改めました。

恩師も元々は横浜の方です。田舎の小学校の先生になりたいとの希望をかなえ開成小学校の先生になりました。私は、最初の教え子の一人です。

教師を退職してから自治会活動に関わり文化活動に熱心に取り組んでいられます。一時期体調を崩されましたが自治会長を経験し克服されました。

外に出て活動することは自分自身を元気にする特効薬の一つであることを証明しています。生涯現役を目指すには外に出ることです。

さて、講演の話は、8月28日から9月1日までの中国訪問で学んだことについてです。3連休最終日の5日、30人ほどが聞きに来てくれました。

中国にしばしば出かける人以外は現在の中国の発展ぶりは実感がわきません。最近の様子を説明しました。イメージを一新させないと理解できません。

日本人の多くはまだまだ遅れた国とみているのに実態は目覚ましい躍進を遂げているこのギャップから双方に誤解が生じる恐れがあります。

2012年尖閣諸島をめぐる領土問題で日中関係は極度に悪化しました。いまだその傷はいえていません。そこに日中の国力の勢いが重なります。

日本は少子高齢化と人口減少で将来展望は明るくありません。一方中国は述べたように元気です。日本は自信を失い中国は自信を深めています。

こういった状況の時は誤解が生じやすいです。やっかみの一方で傲慢さ。私は双方の国民のイメージが改善しない理由の一つはここにあると思います。

どうすればよいのかというと直接観ることができれば一番良いです。私は農村部の中国で行われた地域のお祭りの話をしました。

私たちの地域を流れる酒匂川の治水に難所に立てられた神社の守り神と同じ治水神・禹王の生まれ故郷の祭りの素朴で盛大な様子を伝えました。

地域の祭りに一生懸命取り組む様子がいかに観光客の心を揺さぶるか話しました。きらびやかな施設がなければならないなどと考える必要はありません。

おもてなしの真心があれば、それこそが最高の観光資源です。円中自治会のお祭りだって立派な国際観光資源になると話しました。

こうした地域に密着した祭りを通じた交流によって日本と中国の間に横たわる溝を埋めることができないかと思っていると話しました。

私たちの地域のすぐそばには世界的観光地の箱根町があります。中国の観光客が大挙押し寄せています。私たちの地域に回ってもらう仕掛けが欲しいです。

そうすれば草の根の外交が展開できます。お隣の大国と仲良くできればそれこそが一番の平和外交です。一緒に取り組みましょうと呼びかけました。