黄昏時を迎えた希望の党の共同代表選挙を考える。
希望の党は過去の存在と思ってしまうほど存在感は薄らぎました。結成当初の熱狂に対する印象があまりに強烈だった反動です。
代表の小池百合子都知事は国会のことは角界議員に任せる姿勢です。国会議員の共同代表を選ぶ選挙が行われているわけです。
玉木雄一郎さんと大串博志さん。大変に似通ったキャリアの二人の戦いになっています。田舎の出身で地元の名門高校を出て東大法学部から旧大蔵省へ。
ともに留学経験もあります。落選から這い上がった経過もそっくりです。旧民主党が優れた人材を確保していたことを示しています。
年齢も50歳前後で両氏ともこれからの日本を背負う人材として大いに成長してもらいたいと思います。今回の代表選挙も試練の一つです。
私は玉木さんと面識があり何度も意見交換しました。引退された亀井静香さんが結成し現在も活動を続けている地域活性化協議会で仲間です。
はつらつとしていて選挙に強いのがよくわかります。地元の香川県では大平正芳元総理大臣の再来だと期待されていると伺ってます。
しかし一つ物足りないところがあります。ご本人にも何度かお伝えしました。政治家としての情熱というか狂ったような激しさがないのです。
政治は戦いでもあります。狂気の味付けがなくてはなりません。それが迫力を生み猛者たちを引っ張る原動力となりますので不可欠です。
玉木さんは代表就任が確実視されてます。応援団は、民進党が一番苦しい時に脱走した俺が俺がと自己主張の強い連中です。
安全保障政策や憲法改正では自民党との立ち位置にさほど違いがない面々です。慎重な姿勢示す選択肢は事実上ない中での党運営です。
玉木さんは安全保障法制には反対でした。憲法9条の改正も積極的だとは思えません。しかし現在の立ち位置は推進側に据えられました。
希望の党として最終的にどのような方向性を見出していくのか腕力が必要です。強引に進めれば希望の党は分裂します。分裂覚悟でやれるかです。
対抗馬の大串博志さんは安全保障法制も容認しないし憲法9条の改正も必要がないという主張です。ちょっと待って欲しいと思います。
ならばなぜ希望の党から立候補したのですかと聞きたくなります。公認の条件は安保法制の賛成と憲法改正であったはずです。
選挙の時は本来の主張を棚上げして最初勢いのあった希望の党に入って旗色が悪くなってから持論を再び出してきたいのですかという疑念があります。
あえて代表選挙の争点にしたかったという理屈は通りません。日本の命運を握るような重要なテーマであることは言うまでもないからです。
大串さんに投票する人は基本政策で方針が異なるのですから正々堂々と党を抜けて主張が近い立憲民主党と合流すべきだと思います。
主義主張と行動を一致させることはへこたれない闘魂をもって政治にまい進できます。一時はぐれ鳥となることを恐れずに行動して欲しいです。
いずれにせよ希望の党は小池都知事という輝きだった存在が今や党の減退の象徴となりつつある中での党運営です。分裂から消滅へ進むと私はみます。