首長を目指す人のための静岡県小山町のまちづくり

静岡県小山町についてブログで何度も紹介しました。聞き飽きたかもしれません。でもまちづくりにとってとても大切なことなので整理してみます。

小山町のまちづくりは一にも二にも首長のリーダーシップによって成り立っています。小さな町が生き残るためには極めて重要なポイントです。

世界は激動し、日本は、人口減少、少子高齢化です。小さな町のトップがお役人任せの町政運営をしていてはこの難局を切り拓くことはできません。

行政職員は方向性が決まった事業の推進には能力を発揮できます。しかし前例のない事業や失敗の危険性が伴う事業に果敢に挑戦するのは苦手です。

首長の時代なのです。小山町の場合は込山正秀町長がリスクを一手に引き受けています。職員の意見を聞くこと以上にリスクをとることが首長の役目です。

続いて静岡県、中央政治との太いパイプが挙げられます。一朝一夕にできたものではなく県議会議員4期の中で培ってきたのだと思います。

新人の首長は何もルートを持たないかもしれませんが心配は全くいりません。どのような実力者も最初は何もない中でスタートだったのです。

臆することなくどんどん外に打って出て自らのまちづくりを訴え人脈を広げることは可能です。じっとしていてトップの座に安住しているのが一番だめです。

次に学ぶべきは人材の登用です。小山町は外部の人材を次々と取り入れて活躍の場を与えています。いち早く自衛官を採用し危機監理官に就任させました。

2010年9月の集中豪雨の際は危機監理官が全体の指揮にあたり大きな力を発揮したということです。有為な人材への投資はためらってはなりません。

国や静岡県との交流人事も盛んです。静岡県の職員をスカウトして採用もしています。民間企業の土木技術者を農林課長に充てています。

大学との交流にも熱心です。日本大学の生物資源科学部や東京都市大学と土砂崩れの防止対策やまちづくりの計画について意見交換してます。

外からの血を入れて大学などとの連携を進めることで役場内の活力が上がることになります。一度小山町役場に行ってみてください。活気があります。

以上、小山町を事例に首長の在り方について紹介しました。少子高齢化・人口減少という経験したことのない状況に対処するための手がかりとなります。

私の住む神奈川県でも事情は全く同じです。小さな町は生き残りをかけて先を読み首長がリスクをとって職員をリードしていかなければなりません。

果たしてそうなっているのでしょうか。心配です。何とかなると現状に甘んじてはいないでしょうか。何とかなるなんてことはもはやあり得ません。

国が全体を引き上げてくれた時代ははるかかなたです。自ら生き残り戦略を組んで県や国を逆に巻き込んで積極果敢に行動しないと置いて行かれます。

小さな町にとって大変なピンチですが大きな変ぼうをとげるチャンスでもあります。その成否はトップが握っています。トップ次第です。