合併破談後の神奈川県足柄地域の未来戦略4

神奈川県南足柄市では加藤修平市長が小田原市との合併断念を表明したのにも関わらず今なお住民投票をするかどうか市議会で議論しています。

市長だけでなく市民としての判断をも確定すすべきだとか理由が語られています。なんとも間延びした話で時間とカネの無駄遣いです。

悪しき民主主義の一つの事例です。アンケートで反対と慎重派が圧倒的でなおかつ市のトップが断念しているのに加えて何を確認するというのでしょうか。

住民投票をして反対の意思を確認することで何の意味があるのでしょうか。加藤市政を糾弾するというのでしょうか。私には意味のない悪ふざけに見えます。

日本で三本の指に入るほどの豊かな税収を誇った南足柄市が合併することで財政難を解消しようという手段をとるところまで追い込まれたのです。

南足柄市議会はこの事態の深刻さをあまり理解していないようです。合併問題は加藤市長の断念でもはや過去の問題となったのです。

この先南足柄市としてどのような自立戦略をとるのかそれこそ本当の本気で議論しなければなりません。過去の問題に時間を費やしている場合ではありません。

南足柄市議会の動きを見ていますと豊かすぎる時期があまりに長く現状への危機感が乏しいことを如実に示していると見えて仕方ありません。

数年来の合併論議で重要事項が放置されたままになっています。開成町と隣接する地域一帯の開発構想はその典型です。実質的に手つかずのままです。

事務当局による美しい文章の作文はできてます。しかし中身は何も動いていません。南足柄市が合併騒ぎでそれどころではなかったからです。

全体で150ヘクタール、最初に手掛けたいとする地域だけで17ヘクタールもある地域にとっては重要な工業系の開発区域です。

南足柄市の前市長の沢長生さんが提唱し立ち上がった開成町との共同プロジェクトです。沢市長時代は具体の企業誘致の動きがありました。

沢市長から現在の加藤市長に代わってからはとんと動きが途絶えました。南足柄市をはじめ足柄地域の未来戦略にとっては決定的な重要プロジェクトです。

放置は許されません。合併を断念した今こそもう一度緊急に関係者を招集しどのような戦略を打ち立てるべきかを協議しなければなりません。

富士フイルムと本気の話し合いを持ったのでしょうか。富士フイルムとして地域への投資の考えが残っているのかどうかを確認する作業が不可欠です。

そうした考えが皆無だということになると企業誘致戦略を一から作り直す必要に迫られます。両市町のトップは富士フイルムと真剣勝負しなくてはなりません。

開発区域内に取り囲まれた道路に道の駅を建設する構想のみが先行しています。ひとつの点を打ってその後どのように面的に広げていくのか見えません。

工業系の開発区域に取り囲まれた地点に道の駅を建設することはどのような意味があるのかをわかるように示さなくてはなりません。

工業系の開発と農業の地場産業を育成する道の駅との共存は普通に考えれば矛盾しているからです。難問山積です。合併論議にこだわっている時間はありません。