合併破談後の神奈川県足柄地域の未来戦略5

このところ地域限定の話をしているように思われますが全国至る所で同様の課題を抱えていると思いますので趣旨を読み取っていただければありがたいです。

今日のお話も同様です。道路や鉄道の交通体系をもとにしたまちづくりについて話します。日本の場合は道路が狭く駅前が雑居のような地域がままあります。

失礼な言い方ですが神奈川県南足柄市はその典型的な地方都市です。伊豆箱根鉄道大雄山線は市街地を走り向ける単線ですのでやむえない面があります。

しかし、富士フイルムから入る湯水のような税収をもう少し駅前や道路の基盤整備に計画的につぎ込んでいたら今日のような事態を招かなかったはずです。

富士フイルムの広大な工場にまっすぐに直結する道路はいまだありません。会社に通う駅からの道路は狭くとても超一流の会社への道とは思えません。

なぜこうした状況になったかたいうと田んぼや畑に走る一本道の時代にきちんとした都市計画を立てて道路整備を進めなかったからです。

最初が肝心で放置すればすぐに店舗や住宅な張り付いて雑然とした街並みになってしまいます。お金と手間暇かかっても計画的に整備しなければなりません。

基盤整備を断行していれば南足柄市内の富士フイルム関連施設の撤退はなかったかもしれません。破格の税収は立派な市役所などの建設に充てられました。

小田原市との合併が破談となった今日、この過ちを直視する絶好の機会です。今度こそ計画的な都市づくりへと歩み出さないとにっちもさっちもいかなくなります。

南足柄市の都市づくりの遅れは地域全体の停滞の流れをより一層顕著にしてしまいます。足柄地域全体を視野に入れて計画的基盤整備へと進んで欲しいです。

南足柄市の前市長の沢長生さんはこうした観点からのまちづくりに部分的に踏み出していました。大雄山線の終点駅の街路整備がそれにあたります。

もう一つ構想だけで実現までには至っていない整備があります。大雄山線に新駅を誘致できないか会社側に打診していました。

南足柄市内で一か所新駅の可能性のある適地があります。先週金曜日のブログで紹介した企業誘致のための大規模開発地域に隣接した場所です。

具体の駅名で言えば和田河原駅と塚原駅との間に当たります。ここに新駅を設置してそこから道路を私の住む開成町側へと伸ばすことは可能だと思います。

なぜ今日このような基盤整備を提唱するかというと新駅と小田急線開成駅とのアクセスの強化を考えているからです。新たな地域交通ネットワークの開拓です。

(DMV 国土交通省HPより)

一番の理想は大雄山線に鉄道の鉄路と道路の両方を走る車両を走らせることです。デュアルモードベヒクル(DMV)といって徳島県で導入が決まりました。

足柄地域にぴったりの新たな交通手段だと思えてなりません。新駅の設置と同時進行で新たな車両が地域を駆け抜けている姿を想像するだけでワクワクします。

合併という手段を断念したからには時代に適合した新たな夢を地域住民に与える責務があると思います。南足柄市当局の英断を期待します。