「富士山と酒匂川流域 噴火と減災を考える会」の活動の歯車が回るようになってきました。リーダーの手綱さばきが巧みだからだと思います。

この住民の会は、2015年4月富士山を源流とする酒匂川流域の自治体の連携を深めて万が一の富士山の噴火に備えようと立ち上げました。

2010年9月酒匂川上流部の静岡県小山町と神奈川県山北町を襲った集中豪雨によって堆積していた大量の黒い砂が流出しました。

スコリアと呼ばれる富士山の噴火で降り注いだ砂は酒匂川の下流でぼた山のように積みあがりました。

この衝撃が住民の会の立ち上げのきっかけです。流域の自治体が県域を超えてもっと強固に連携すべきとの運動をおこしました。

住民の側から県の行政域を越えた自治体間の連携を打ち出したのは画期的だと思います。

今年の6月にそうした流域全体の視野からの治水の大切さを訴えるシンポジウムを開催できました。

加藤憲一小田原市長ら流域の4市町のトップが登壇しました。このそろい踏みは初めてのことです。

県域を超えた静岡県小山町の込山正秀町長が基調講演しました。水源地から沿岸部まで河川の流れを一体としてとらえる大切さを強調できました。

このような成果を上げてきた富士・酒匂減災会、13日に小田原市内で今年一年を振り返りながら今後どう進めていくかを議論しました。

会を実質切り盛りしているのはアメリカで企業経営をされていた方です。東京から移り住み理系の技術出身の経営者でした。

副会長兼事務局長として会の運営全般の方向性を常に発信し続けています。きめ細かくデータを揃えて確認して決めるスタイルです。

会長はスーパーヤオマサの名誉会長の田嶋享さんです。こちらはリヤカーで野菜を売りバナナのたたき売りで勇名をはせたたたき上げの経営者です。

副会長が理系のデータ重視のスマートなスタイルを重視するのに対し大枠をぱっと示してそれで引っ張るスタイルで好対照です。

会長と副会長、両者のスタイルが異なっていて会長が顔となり実質的に副会長が仕切るスタイルが両者の強みを生かすようになっています。

その周りを田嶋会長と同様中小企業を経営してきた人や日本経済新聞の元記者、富士フイルムなどの企業出身者らが取り囲みます。

看護師を研修し指導する立場にあった女性の看護師の方、それと町長経験者の私がちょっと毛色の変わった経歴だと言えます。多士済々です。

副会長の運営で全体の議論は結構はずみます。皆さん現場を知っていますので理屈に走りません。実のある議論が成り立ちます。

2018年は、酒匂川を管理している神奈川県、そして大元締めの国土交通省にまで乗り込もうと一献傾けながら話し合いました。

流域全体で治水をそして治山をという流れは強化せざるを得ません。集中豪雨は激しくなる一方だからです。

危険個所を確認しその上で対策を考えざるを得ません。地価が下がるなどの経済的理由で危険性に目をつぶればしっぺ返しを受けます。