究極のご当地ソング、校歌を調べる。
中国古代の歴史書の金字塔、司馬遷の『史記』の中に「夏の禹、名を文命という」と書かれています。中国最初の王朝の創始者禹王のことです。
禹王の名前は「文命」だというのです。私の出身中学校は、神奈川県開成町立文命中学校です。禹王の名前をとって校名としました。
禹王は中国の治水神です。中国の神様の名前を付けた世界で唯一の中学校だと思います。文命用水という農業用水が流れていることから付けられました。
酒匂川の歴史の探訪している「足柄の歴史再発見クラブ」の調査で確認されたことです。近在に禹王を祀った神社があり用水路の名前に波及しました。
前置きが長くなりました。本題に入ります。文命中学校の校歌の出だしは「酒匂川清らかに流れゆく瀬に」です。酒匂川が最初に出てきます。
足柄の歴史再発見クラブには、今年の8月中国を一緒に訪問した3人が新たに仲間に加わりました。歌手と書道家と元小学校の先生です。
歌手の橋本京子さんは訪中団の主役の一人でした。県芸式典のたびに美しい歌声が響き渡り中国側を驚かせました。歌声の力はすごかったです。
堤千恵子さんは書道家です。禹王の故郷、中国・河南省政府の歓迎式典で「響」という文字を式典の場で大書しました。日中の響きあいを願ってのことでした。
安藤孝雄さんは小田原市議会議員でもあります。社会科が専門だったとのことで小学校で災害の歴史の出前委授業を行っているクラブにぴったりです。
16日開成町内の料理店で開かれた忘年会でも橋本さんの歌声が響きました。童謡の「赤とんぼ」、日本語の歌詞が心にしみました。
あしがらの歴史再発見クラブの2018年の最大の目標は小学生向けの副読本『富士山と酒匂川』の新編を刊行することです。2019年3月を目指してます。
新しい3ン人がメンバーに加わったので新しい観点からの記述もあってよいという話なってます。校歌に光を当ててみました。
校歌の中に酒匂川がどんなふうに盛り込まれているか安藤さんが調べ始めています。校歌を調べ直して整理するのも立派な地域の郷土史研究です。
足柄地域は美空ひばりさんの歌を数多く手がけたことで知られる米山正夫さんが作詞作曲している校歌も結構ありますので興味深いです。
忘年会での和んだ席で酒匂川を盛り込んだ校歌のコンサートも一緒にやってみてはどうだろうかと私が提案したところ結構盛り上がりました。
校歌の調査が終了したころに調査結果の発表だけでなくコンサートも同時に行い校歌の聴き比べができたら素晴らしいと思います。
場所はあやぶき屋根の古民家の瀬戸屋敷がうってつけです。少人数のコンサートでまずは第一歩を踏み出して刊行後に今度は大発表会と行きたいです。
郷土史研究に音楽という新しいジャンルが加わりました。もちろん本丸は災害や治水史の研究です。でも楽しい話題も散りばめられた方が読み応えあります。
校歌は究極のご当地ソングです。酒匂川は、母なる川です。酒匂川の歌詞が盛り込まれた効果を調べ歌うことで一層郷土愛が高まります。