地方行政、よきに図らえ時代の終焉。
私が現在の神奈川県開成町政に対し厳しい指摘をブログでしたのに対し今の方が「職員が活き活き仕事しているような…」との反応がありました。
苦笑いしてしまいました。そうした側面は無きにしも非ずと思ったからです。私の時代は私のまちづくりの意思を明確に打ち出してました。
職員はピリピリしてました。町長室に入る職員は表情に緊張感がうかがえました。どんな厳しい指摘をされるのかハラハラしていたのだと思います。
現在の府川町政は全く異なります。自ら発想し構想を練りビシバシ指示を出すことはありません。重要な会議においても沈黙だということです。
職員にとっては有難いことです。上司に何か言われる可能性がゼロに近いのですから活き活きとまではいかなくてものびのびします。
のびのびも行き過ぎるとダラダラしてくる恐れがあります。私は税金で飯を食べさせていただいている職場は厳しさが土台だと思います。
開成町はとても幸せな一時期を過ごしていると思います。日本全国の多くの市町村が直面している人口減少・少子高齢化の荒波から免れているからです。
しかし、いずれ開成町も少子・高齢化の時代と格闘しなければなりません。リーダーは、平和な時代にこそ先を読み手を打たなければならないはずです。
広域行政が大きく揺れ動いています。圏域の中心都市の小田原市と二番目の市の南足柄市との合併が破談となりました。どうするのでしょうか。
少子・高齢化や市町村合併を含めた広域行政といった町の根幹にかかわる政策課題についてすべて職員に任せきりで乗り切れるとは到底思えません。
いくら優秀な副町長がいてもあくまでもナンバー2であってトップではありません。町の重要課題は、トップの力量に左右されます。
ここ6、7年間の開成町政は重要課題から逃れることができた幸運の時代をおう歌していたのです。しかし、その時代は終わろうとしています。
事務当局に丸投げして「よきに図らえ」的なリーダーシップは限界です。トップ自らが旗を振り職員と一丸になって事態に対処する時代が来ているのです。
その典型的な事例が小田原市・南足柄市合併破談後の広域行政の在り方だと言っているのです。これは首長が首をかけて動く以外に対処しようがありません。
もう一つ職員に全面的に依存した町政運営の在り方に重大な懸念があります。こうしたやり方では職員の育ちません。将来性の芽を摘みます。
幸いにして現在の開成町には相当の優秀な職員がいます。優秀な職員には試練を与えて更に伸びてもらわなければなりません。
首長が課題を与え、叱咤激励し、本来の能力を十二分に開花してもらえるようにするのも重要なトップの仕事です。ピリピリしてくるのも仕方ありません。
首長自ら勉強しなければ指示はできませんので首長自身をも成長させることにつながります。自ら様々な知識を得る姿勢が現状は、大きく欠けています。
広域行政や職員の育成など様々な側面からみて開成町はリーダーシップの転換期にあります。的確な指導力を発揮できる人材にバトンタッチをする時期です。