神奈川県横須賀市の人口40万人割れ、人災の要素あり。

神奈川県横須賀市といえば戦前は日本海軍の軍都として栄えました。戦後は、極東アジア、太平洋地域ににらみを利かす在日アメリカ軍の第七艦隊の拠点基地としてその名を知られています。

日産の主力工場もあり日本の自動車産業をけん引してきた地域でもあります。JR東日本の主要幹線である横須賀線が走る首都近郊の代表的都市でもありました。山口百恵さんの代表曲を始め数々の歌謡曲の題名にもなっています。

横須賀市の人口が今月1日の推計で40万人の大台を割ったと市が発表しました。首都圏のメディアでも大きく取り上げられました。比較的利便性の高い名前が通った都市でも人口減少は避けられないことを示しました。

上地市長は「小児医療費の助成など子育て支援策を充実させ対応したい。」と答えている姿がテレビニュースで流れていました。この時期に市長になるということの厳しさをひしひしと感じていると思います。

上地市長にのみ責任をかぶせるわけにはいきません。少なくとも今日の事態は今世紀に入った頃には十二分に想定されていたはずです。根本からの対応を先送りしてきたつけが回ったとも言えます。

特に横須賀市は前市長と市議会との間で政争が繰り広げられて前市長の8年間の市政は、人口減少という本当に向き合わなければならない課題に対し真正面から取り組んできたとは言えません。

行政も議会も共同の責任があります。横須賀市規模の人口減少という課題となりますと神奈川県としても衝撃が大きいです。県の対応がおろそかであったことも否定できないと思います。

もう一つ横須賀市といえば小泉純一郎元総理大臣、今を時めく小泉進次郎衆議院議員の選挙区です。いくら中央政界で華々しく活躍していてもおひざ元が廃れて行くのを放置しているようでは真の政治家ではありません。

私は横須賀市の人口40万人割れは、今が良ければ良いではないかと根本対策を放置してきた現代日本の政治の病理が集中的に表れたと断言してよいと思います。先手を打って対応しなかったことが事態を深刻にさせました。

まだまだ勢いが良い時に将来を見据えてとるべき対策をとっていれば少なくとも人口減少の流れを緩和することはできました。住宅地開発などの中長期の政策と当面の子育て支援策をミックスさせれば可能だと思います。

ここまで人口減少の流れが顕著になりますと小手先の対応では対処できません。横須賀市だけであれこれ対策を講じようとしても財政難で思い切った対策が取れずに焼け石に水の状態だと思います。

解決の道筋は、まず広域行政にあります。人口減少は三浦半島の問題と捉えるべきです。少なくとも三浦市と共同対処が不可欠です。神奈川県が積極的に絡んで三浦半島地域として対応策を打ち出す必要があります。

首都圏の主要都市で急激に人口が減少するということは国家としても由々しき問題です。小泉進次郎さんが先頭に立ち三浦半島を人口減少社会を切り抜けるモデル地域として位置づけて総合的対応構想を打ち出すべきです。