昨年7月の横浜市長選挙、横浜市にカジノを設置すべきが否かが争点になるとにらんで元民主党の衆議院議員が立候補しました。現職の林市長の陣営は、争点化を避け三選を果たしました。

この選挙戦にカジノの設置をめぐるジレンマが見えます。争点化して市民に問えば反対が圧倒的な情勢であるという厳然たる事実があります。市長選挙は、そうした市民感情を刺激したい側と避けたい側の駆け引きでした。

争点化を避けたことは、カジノの設置を推進したい側が断念したのとは全く違います。戦術を変えたにすぎません。急がば回れでう回作戦に転じたのだと思います。意欲は全く変わってません。

横浜商工会議所の上野会頭は今年の年頭の記者会見で「誘致実現に向けた推進体制の検討を行う。」と述べたことが報じられました。誘致を諦めたどころか意欲がひしひしと伝わってきます。

横浜市の林市長は、表面上は慎重に検討する姿勢を崩していませんが新年度の予算案には一千万円の査費を計上しています。5年連続です。調査費が盛られるということは意欲があることを示しています。

このようなすっきりしない状況が続いているのは横浜市民の反対世論が根強いからです。住民投票に持ち込まれたら葬り去られます。推進側にとってはこの事態に陥るのを避けながらどう実現するかに知恵を絞っているのでしょう。

まるで沖縄県の普天間基地の名護市辺野古への在日米軍基地の移設問題みたいな感じがします。県民の多数は基地の新設に反対なのが本音です。しかし地元経済の振興を考えて逡巡しています。

名護市長選挙でも基地問題は争点として激突しませんでした。移設を容認する側が争点となることを避けて地元の経済の振興や子育て支援といった住民生活に響く論点を前面に出したからです。

辺野古への移設については容認派が勝利したとはいえすんなり事態は進みません。争点にして市民に問えば反対が多くなる可能性が強いからです。現状は、裏口から入り移設への第一歩を記した感じです。

市民の反対が根強い中でどのよう反対世論を説得し納得してもらえるか横浜市と沖縄県の双方の推進派側の置かれた状況は似通ってます。民主主義の原点に立って市民の声を聴けない弱点がある中で推進を模索しています。

簡単に妥協ラインは見つかるわけがありません。市民、県民の声という民主主義の原点と食い違いがあるからです。誰かが泥をかぶって大胆な策を講じない限り着地点はあり得ないと思います。

強引にことを進めれば最後はひれ伏すみたいな圧力一辺倒では逆に市民や県民の反発を招くだけです。国と地域全体を見渡し泥をかぶることができる調整役が必要にして不可欠です。

私のイメージでは亡くなられた梶山静六氏や野中広務氏といった剛腕でありながら市民や県民の声と情で接することができる保守政治家です。政界を引退されたばかりの亀井静香氏もそうです。

国、地方を問わず本物の剛腕政治家がどんどん少なくなっています。超難問解決は、頭でっかちの政治家では手に負えません。剛腕で冷静な判断力を持ち加えて情を理解できる政治家が調整しないと解決できないと思います。