国会を揺るがす森友問題、三つの驚き。
森友学園に対する国有地の売却に絡んで財務省の14の決裁文書が書き換えらえていたと麻生財務大臣が明らかにしました。安倍政権の窮地です。
昨年2月安倍総理大臣は国会答弁で自分や安倍昭恵夫人が森友問題に関わっていたとしたら総理大臣、国会議員を辞すと宣言しました。
財務省が書き換える前の文書の中には昭恵夫人の名前が複数個所に明確に期されていて関与が疑われる証拠となってしまいました。
総理大臣の国会での答弁と明確に食い違う可能性が出てきたことになります。私にとってはこれが一番の衝撃です。安倍総理の問題となったからです。
野党側は昭恵夫人の証人喚問を求めています。野党の要求に正当性をもたらしました。安倍総理としては応じられないでしょうが追い込まれる可能性があります。
答弁に不慣れな夫人が証人喚問に応じざるを得ない状況になればこれは総理としてではなく夫として自らの進退を決することにつながると見るのが常識です。
二つ目の驚きは麻生財務大臣が国税庁長官を辞したばかりの佐川宣寿氏を「佐川」と突如として呼び捨てにしました。先週までは高く評価していたのにです。
この劇的な態度の変化が佐川氏に向けられた本当の怒りによるものか、それとも計算し尽された振る舞いによるものかはうかがい知れません。
佐川氏が今回の書き換えの主人公の一人であることは事実でしょう。決裁文書を自らの責任で闇の中で処理して可能性はあります。
この場合は、書き換えの疑いが表面化するまでの間は麻生大臣には詳細な報告はないと思います。実態を知って麻生大臣は激怒したことになります。
もし万が一麻生財務大臣も書き換えの事実を事前に知っていたとしたら「佐川」と呼び捨てにした態度は責任逃れの振る舞いです。今後の解明の焦点の一つです。
三つ目の驚きは9日から11日までNHKは世論調査をしてその結果を報道していました。安倍内閣の支持率も自民党の支持率も微減でした。
麻生財務大臣が書き換えを認める前日までの調査だとは言え報道は過熱していました。それにも関わらず44パーセントの内閣支持率を維持しているのは驚きです。
自民党の支持率に至っては36パーセントで他党を圧しています。これは安倍総理に代わるべき総理大臣候補の力量不足と野党の存在感のなさを示しています。
特に国民は野党に対して政権を託すなどとは予想だにしていません。森友書き換え問題が抜き差しならぬ事態となっても自民党政権は続きます。
安倍総理大臣の総裁三選は赤信号です。石破元防衛大臣らポスト安倍候補の面々は内閣と自民党の信頼回復がいの一番の課題として急浮上しました。
野党各党は当面は書き換え問題の一点突破で安倍政権を追い込むこととなります。しかしその目的を達しても権力の座ははるかかなたにあります。
国民の信頼を得ていないのです。反対だけでは限界であることを自覚すべきです。自民党に代わる政権政党を目指すのであれば明確な政権ビジョンが不可欠です。