中国訪問記5~摩天楼の林立都市、上海~

3月31日浙江省寧波市寧海県からバスで上海に移動しました。上海に入ってから渋滞に巻き込まれて5時間ほどかかりました。

途中、中国の高速道路のサービスエリアに初めて入りました。トイレも清潔で、施設内の環境美化への注意も行き届いていました。

上海に近づくと大型のコンテナを積んだトレーラーが目立ってきました。上海はコンテナの取扱量が世界1位です。ベスト10の内7つが中国です。

1981年5月の新婚旅行以来の上海でした。37年前も上海は中国随一の都会でした。首都北京よりもずっと明るく都会の雰囲気が漂っていました。

同じ都会でも現在は様相が一変していました。高速道路の周囲には高層ビルやマンションがにょきにょきとそびえひしめき合ってました。落ち着いた国際都市のイメージは吹き飛びました。

森ビルが1994年から5年間かけて建設を進め完成した地上492メートルの国際金融センタービルの100階にある展望台に上ることができました。

森ビルは大都会の地上の住宅密集地を縦に伸ばして地上の空間の整備を同時進行で行う「バーティカル(縦の)ガーデンシティ」の建設を目指しています。

日本の六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズも同じ発想です。まだ中国が天安門事件の混乱から抜け出ていなかった時代に建設の決断を下したのは時代を拓きました。

床がガラス張りになっているために高いところが苦手の方は足がすくむかもしれません。絶景でした。摩天楼都市という言葉がぴったりの夜景でした。

土曜日の夜でしたので観光客がごった返していました。上下に同時に2つ乗客を乗せることができる特殊なエレベーターがフル稼働していました。

摩天楼マンションの販売価格は2億円から3億円ということでした。東京を超えています。販売は順調ということで富裕層の増大がうかがわれます。

上海の一流企業は初任給は日本と変わらず一人っ子政策が続いてきたため若者はリッチだと伺いました。中国の沿海部の発展は若者を豊かにしています。

中国は土地は国の所有物です。住民は定期借地権のような形で権利を持ちます。住居は70年、工場や事務所は50年だということです。

その権利を売買することになります。一人っ子政策ですと両親の住居が引き継がれたり売買され自分も住居を持っているとすればリッチになるはずです。

一挙に摩天楼都市となった上海、ビルの老朽化をはじめ都市の老朽化も同時に発生します。むき出しの活力の行方はバラ色のみとはいえません。

中国全体に言えることですが巨大開発と環境保全のバランスが崩れ開発の方向に前のめりなことに伴う将来の危険性を感じてなりません。

独裁的な権力を手にした習近平政権がその独裁的権力の良さを活かして開発と保全のバランスをとることが中国の将来を決めるように思います。

4月1日帰国しました。北京のラジオの日本語放送で私たちの中国訪問が取り上げられました。お時間のある時にお聞きになってください。http://m.ximalaya.com/share/sound/80286176