神戸と姫路の活力低下に見る日本の危機。

野中広務先生を偲ぶ会が14日京都であったので足を伸ばしました。兵庫県姫路市に一泊して姫路城の見学、翌日は神戸の街を見て回りました。

NHKに入り最初に赴任地が神戸でした。1979年8月から1983年8月まで神戸放送局、1985年8月まで姫路放送局で駆け出しの記者でした。

姫路駅周辺の街並みは姫路城に向かう駅前周辺は再開発がなされていました。姫路城はご承知の通りお化粧直しがなされていました。

姫路城は待ち時間ゼロ分でした。お花見シーズンが終わり観光客が遠のいている時期かもしれません。率直に言って期待外れでした。

姫路城は平成の大改修が話題となり観光客の増加が話題でした。しかし天守閣の中はとても暗く危険でした。ガイドも不十分です。

ITの時代、工夫すれば人手不足は十二分に補えるはずです。映像の紹介も音声の紹介もなくただ暗闇上り下りするのはトレーニングみたいでした。

高齢者にはきついです。繰り返しになりますが暗過ぎます。2017年度で182万人で前年度に比べて13パーセント減ったというのもうなづけます。

お城についてのガイドやワークショップといったソフト事業の充実とともにITを駆使した案内を充実させることが喫緊の課題だと思いました。

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落胆しつつお城を出てかつて勤務した方向にぶらぶら歩いていきました。NHK姫路放送局は昨年7月に閉鎖されていました。

神戸放送局に統合された格好です。姫路地域の情報発信の核であったので影響は大きいと思います。騒動にならなかったのでしょうか…。

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駅に続く商店街の落ち込みも目立ちます。老舗の百貨店も店を閉じました。通い詰めていた2件の書店もなくなっていました。

さらに驚いたのは姫路城と反対側の駅出口の方です。30年前と基本的には変化がありません。変化が乏しく逆浦島太郎状態でした。

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15日神戸の街を歩くと活き活きとした感じではなく静かな住宅街のような雰囲気が伝わってきます。老舗のコーヒー店は健在でした。

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ポートライナーという新交通システムで人工の島を一周しました。日曜日でしたので港はひっそりとしていました。それにしても静かでした。

中国の上海でコンテナを搭載した大型トレーラが次々と行きかう様子を目の当たりにしたばかりですのであまりの様子の違いに驚きました。

上海港はコンテナ取扱量世界ナンバーワン、神戸港は59位(2016年)。この数字の極端な差は嘘ではないと実感しました。

神戸と姫路、兵庫県を代表する2都市の活力の低下を見ると1995年の阪神淡路大震災の影響がいかに大きかったかが如実に表れています。

関西の活力は大阪と京都にシフトしてしまったのです。ここからどう未来展望を切り拓くのか難問です。特に兵庫県西部に位置する姫路市です。

周辺の市町は軒並み人口減です。地域の中心都市が姫路城の平成の大改修を活かしきれていません。これでは反転攻勢の手が打てません。

危機感がなければ行動に移れません。そのうち何とかなるという楽観論が底流にあるとしたら危機は深まるばかりです。日本の縮図のように感じました。