中国訪問記8~エピローグ~

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中国訪問記の最終回。今回の一週間の中国訪問で中国は歴史が古いとつくづく実感しました。初代王朝の夏の成立が紀元前2070年ですから2千年前でまだ半分です。

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夏王朝の発掘調査を続けている中国考古学の重鎮、劉慶柱先生が、司馬遷の『史記』の世界を科学的に実証したいと情熱込めて話していたのが印象に残ってます。

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中国は経済も豊かになって来て古い歴史に対して胸を張りたい気持ちが高まって来ているのだと思います。巨大な歴史博物館が続々と誕生しています。

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一方、経済に目を転じると発展の勢いは止まらないと思いました。ただし大きな矛盾を抱えての怒涛の前進です。崩壊の危険性を孕んでいることは間違いありません。

揚子江の水をポンプアップして北京に運ぶまでした発展を目指しているのが矛盾の最たるものです。水は高いところから低いところに流れます。自然の摂理の逆をやっています。

中国を立ち往生させたい悪意の輩がいたとすればこの水路を破壊するだけで首都経済はマヒします。脆さと裏腹な発展をしていると思わざるを得ません。

日本は一歩先に近代化を果たし経済の発展とその限界を知りました。中国の発展から生じるマイナス面をできる限り小さくするために日本が果たせる役割は大きいです。

それなのにもかかわらず領土問題がのど元に突き刺さり双方が身動き取れない状態になっているのが残念でなりません。ここに風穴を開けるのが中国の歴史と文化へのアプローチです。

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中国側も自国の歴史と文化を大いに発信したい時期です。日中双方が共通のテーマを見つければ双方の交流は進みます。中国の治水神禹王は格好のテーマです。日本と中国をつなげます。