日朝の直接対話が不可欠。

今年に入ってからの朝鮮半島情勢の目まぐるしい動きには圧倒されます。キムジョンウン委員長の立ち回りはしたたかに計算されているように見えます。

韓国側が仕掛けたから南北対話が実現したというよりも韓国側の対話を熱望している足元を見越して最善のタイミングでなだれ込んだように見えます。

今日から世界の熱い視線が朝鮮半島に注がれます。世界史を変える可能性のある季節の到来といっても良いのではないかと思います。

キムジョンウン委員長は独裁者としての強みを最大限活かしています。関係が冷却化していた中国の習近平総書記とトップ会談まで劇的に行いました。

親中国派を処刑してまで貫いていた中国への反発姿勢を180度転換させるなどという芸当は独裁者でなければやれるものではありません。

アメリカのトランプ大統領との世紀の会談が実現することを想定して背後を固めたということになります。中国にとっても願ったりかなったりです。

北朝鮮の最終交渉相手はアメリカです。アメリカが北朝鮮の体制を認知してくれさえすれば北朝鮮の核の廃棄も現実味を帯びてきます。

キムジョンウン委員長はカウンターパートがトランプ大統領になったことを大歓迎していると思います。個性的なキャラの方がおびき出しやすいです。

狙いすましボールを投げたのだと思います。狙いは、はまりました。現状ではトランプ大統領はキムジョンウン委員長との会談に意欲満々です。

さて日本はというとカヤの外に置かれて日米韓の連携による圧力一辺倒しか言えない状況に追い込まれているように見えます。

日本と北朝鮮との最大の懸案の拉致問題も韓国大統領やアメリカ大統領にすがらなければ展望が開けないのが実情です。みじめです。

安倍外交が対米追随路線に極端に傾斜してきたつけが回っているといえます。北朝鮮との間できちんと話しあえるパイプがないのです。

安倍政権だけが悪いのではなく与野党、メディアそして大半の国民も北朝鮮を叩くことだけに注力してきた底の浅さが露呈したといってよいと思います。

私も激動の北朝鮮訪問のチャンスがないかと事態の推移を伺っていました。大物政治家が拉致問題の打開の一助になろうと水面下で動いていました。

訪朝となれば同行できないかと期待していましたがあまりの情勢の変化に現段階では実現に至っていません。依然として模索中です。

全国の地方議員の訪朝団はこのゴールデンウィークに記者団を含めて40人規模で訪朝する寸前まで行きましたがこちらも延期となりました。

日朝関係がどんなに悪化していても交流を続けている民間団体もあります。今後はこうした団体を仲間に幅広い国民レベルの交流を深める必要があります。

日朝の直接対話なくして日朝関係の解決なしとの思いから集会を開くことになりました。5月25日午後6時半から横浜の開港資料館です。

こうした直接対話を求める動きを各地で起こしていくことが日朝国交正常化へとつながると思います。決して小さな一歩ではありません。