権力の私物化は行政をゆがめる。

権力の私物化が国政の重大問題となっています。森友学園、加計学園をめぐる問題は、権力の私物化をめぐって激しい議論が続いているといってよいです。

安倍総理大臣の公私のけじめが最高権力者に相応しく厳格であったのか否かが不透明であることが問題がここまでこじれる原因です。

「李下に冠を正さず」という格言があります。疑わしい行為をすべきではないということです。最高権力者が高度の政治倫理観を持つのは当然です。

権力の私物化をめぐる諸問題は中央政界だけの課題ではありません。地域政治においても同様です。権力者は私物化を疑われる行動を避けるべきです。

神奈川県開成町の副町長人事については何度もブログで紹介しました。町議会で議論する気配が一向にありませんので私の疑念を記述します。

府川裕一町長が年度末ぎりぎりになってかつての盟友の小澤均さんを解任しました。新しい副町長には加藤一男さんを推し議会の承認を得ました。

加藤さんは、府川裕一後援会の副会長を務めていました。いくらなんでも副町長就任と同時に役職を降りているでしょうが副会長でした。

後援会とは選挙に勝つための組織という側面が強いです。選挙組織のナンバー2が町政のナンバー2に横滑りさせたと言い換えても良いです。

府川町長の改選時期は来年の4月です。選挙が一年後に迫ったこの時期に任期途中の盟友を切ってまで後援会のナンバー2を町のナンバー2に据えたわけです。

これでは自らの選挙目当ての人事という疑念が出るのは当然ではないでしょうか。「李下に冠を正さず」という格言に100パーセントもとる行為です。

小澤さんは府川町長に堂々と異論を述べるタイプでした。煙たくなったのだと思います。加藤さんの方が相談しやすいと思ったのではないでしょうか。

選挙を来年に控え府川町長の選挙事情に精通している人物が最側近にいれば常に選挙事情を配慮して町政運営を進めることが可能です。

府川町長が行った今回の副町長人事は、開成町のあるべき姿を追求するのではなく自らの3選のために町政があると取られても仕方ありません。

これは権力の私物化との批判が当たると思います。今後の町行政がゆがめられる危険性があると思います。読者の皆さんはどのようにお考えでしょうか。

加藤さんのキャリアに上記の疑念を超える何かがあって万人が認めるのならば仮に後援会の副会長であっても副町長就任は許されます。

ところがそのキャリアは見当たりません。加藤新副町長の行政経験は臨市の南足柄市にあります。このキャリアは開成町政にとりあまり参考になりません。

すでにブログで書きましたが富士フイルムから破格の税収で使い切れない程の財政的余裕があった南足柄市と開成町では事情が違いすぎます。

ましてや借金で庁舎の建設を進め今後の財政運営が懸念される開成町です。豊か過ぎた時代の南足柄市の行政体験はほとんど参考になりません。

権力の私物化の恐れのある府川町政に対し厳しい目を向ける必要があると私は考えます。本来の町政を取り戻すため問題提起を続けます。