日中友好協会の機関紙「日本と中国」刷新中。

日本全国各地の日中友好協会の全国組織である公益社団法人日中友好協会という団体があります。「日本と中国」という機関紙を毎月発行しています。

副会長で福井県日中友好協会の会長の酒井哲夫元福井市長が委員長になっている広報委員会で編集方針を決めています。私もその一員に就任しました。

東京神田の事務所近くの貸し会議室で編集委員会が開かれました。事務所のビルが古く会議室が不足していて会議のために移動しました。

前向きで有意義な会議でした。終了後会長の丹羽宇一郎元中国大使にも面会ができました。突然の訪問でしたので私の顔を見てびっくりしてました。

機関紙の「日本と中国」は刷新中です。新たに広報委員に就任した元電通社員で中国通の方が広報のプロとして様々なアイデアを出しています。

会員にとって役立つ情報が散りばめられていて読み応えのあるものにすることが不可欠です。決まりきったスタイルを脱することが求められています。

5月1日号の中国の政治情勢に対する解説記事が秀逸だと感想を述べました。日本のマスコミ各社の解説と違う鋭い論評が掲載されています。

中国の政治情勢をめぐる論評は政治的立場によって支持するのか反対するのか色分けがはっきりしていて読む気にもならないものが多いです。

反中国の論者は徹底的に中国を叩きますし親中国の論者はすべて中国側の都合の良いように解説して見せます。これでは論じるのではなく一方的主張です。

特に嫌気がさしたのは、親中国の研究者の習近平政権に対するある論評でした。トップの座に座るのは2期10年と定めた決まりは堅持されると主張してました。

ところが3月の全国人民代表大会であっさりと憲法改正されて習近平長期政権の基盤が整いました。今度は、永久に政権に就くことはあり得ないなどと言ってます。

私は日中友好に関わっていますので親中国の立場の論評を目にすることがどうしても多くなります。習近平体制の本質を見ないで迎合する論評は辟易とします。

「日本と中国」の論評は全く異なってます。一面全部を使って習近平主席の長期政権体制の成立について明確に述べています。

特に際立つのは昨日来日した李克強首相について習近平体制の執行役員の色彩が強いと断じていることです。この指摘は看過できません。

首相が方針を決定する側ではなく決定事項を執行する側にいると分析しているのです。このようにはっきりと断じている文章を初めて目にしました。

では誰が決めているのかというともちろん習近平主席ですが強力な片腕がいます。腐敗防止キャンペーンにらつ腕を振るった王岐山副主席がその人です。

習―王体制でこれからの中国は動くとしています。王岐山副主席は外交のトップとして朝鮮半島問題や米中の経済対立という難問に向かうとしています。

解説しているのは徐静波というアジア通信社が出している「中国経済新聞」の総責任者です。こうした明確な論評を掲載できる機関紙は高く評価されます。