日朝の対話を求める集会開催。

先週金曜日25日、横浜の開港記念館で「今こそ日朝対話を、国交正常化の時」神奈川集会がありました。司会役を務めました。

呼びかけたのは幅広い政治的立場の人を結集して国民運動を興そうと活動している「自主・平和・民主のための国民連合」です。

110人が参加し満席で資料が足りませんでした。朝鮮半島情勢について関心を持つ人が増えてきたことを示していると思いました。

講演をお願いしたのは、元外務官僚の浅井基文さんでした。浅井さんには『日本外交 反省と転換』というタイトルの岩波新書があります。

1989年に発刊されたものです。当時NHKの防衛庁担当記者だった私は衝撃を受けたことを鮮明に覚えてます。日米同盟に異議申し立てをしていたからです。

外務官僚を辞めたばかりのバリバリの元エリート官僚がそれまでの日本の外交方針を真っ向から批判するのは驚き以外の何物でもありませんでした。

私は日米同盟機軸というのが大方針でしたのでその方向でしか物事を見ることができませんでした。刷り込まれてしまっていたと思います。

現在は、極端なアメリカ追随の方針の見直しこそが日本を平和国家に保つ道だとの浅井さんの主張を理解できるようにようやくなりました。

浅井さんは講演の中で、安倍総理に外交は時代錯誤だと指摘していました。安倍外交はアメリカ一辺倒と言って良いですので脱却を提起している訳です。

北朝鮮との関係について相手の立場に真に立ったらどうなるかという他者感覚を持って相手に接する外交が必要で力の外交は時代に合わないと主張してました。

北朝鮮のキム・ジョンウン主席の立ち振る舞いがメディアにさらされ狂気の人物ではないというイメージが徐々に広まってきました。

中国、ロシアは北朝鮮支持です。韓国のムン・ジェイン政権は南北の安定を切望しています。アメリカの力の外交が通りにくくなったと分析してました。

このような状況下で力の外交を信奉してアメリカ一辺倒で突き進むことこそが危険で誤った選択だと浅井さんはみていました。

韓国のムン・ジェイン大統領の南北対話に賭ける必死の姿勢が韓国内の若者の心を動かしていると述べていました。重要な指摘だと思いました。

信念を持って誠心誠意真正面から対話を求める言動はそれまで北朝鮮に対し悪感情を持っていた若者の心を動かせることができるということです。

会場から問題提起がありました。横浜国立大学の山本泰生教授が日本外交は孤立を恐れるあまり強いものに追随する傾向にあると述べていたのが印象に残りました。

民族活動家の長谷川光良さんから国連加盟国である北朝鮮と国交正常化が図れない日本外交は誤りであると言い切っていました。

右翼の長谷川さんは会場に日の丸と北朝鮮の国旗を掲げるなど既存の運動の殻を破った取り組みが必要だとも提起してました。

幅広い国民を刺激するような運動を巻き起こさないと外交方針を変えるなどという大仕事はできません。右だ左だという枠を壊す必要があると思いました。