三浦半島ツアー1~地域資源の宝庫~
神奈川県の抱える諸問題を意見交換するため研究者や地方議員、市民活動家で結成した神奈川研究会のメンバーで三浦市、横須賀市を見て回りました。
三浦半島地域は、三浦市が消滅可能性都市に指定されたり横須賀市の人口が40万人を割ったことが報道されたりして活力の無さをイメージしてしまいます。
今回のツアーは27日、28日の一泊二日の駆け足ツアーでしたので関係者からのヒアリング、地元市議会議員の案内による現地視察と忙しかったです。
最初に訪れたのが小網代の森です。1970年代ゴルフ場の建設問題が浮上し森が潰されそうになったのを市民たちの力で食い止めました。
中心人物であった慶応大学名誉教授の岸由二さんの案内で丘の上から海岸まで見ることができました。素晴らしい自然を残したと感嘆しました。
何が素晴らしいかというと雨が降り小さな沢となり沢が集まり川となって干潟を通じて海に流れて行く70ヘクタールの水系全体を見ることができることです。
岸さんの解説に耳を傾け2時間程度かけて見て回りました。干潟ではアカテガニのオスがメスを求めて詰めを上下にゆするダンスも見ることができました。
岸さんの情熱が国、県、市や京浜急行を動かし小網代の森を守ることにつながりました。何事も人材が大切だと改めて痛感しました。
三浦市と言えば農業が盛んな地域として有名です。ブロ雅農園の経営者、鈴木雅智さんから話を伺いました。ブロはブロッコリーのことです。
三浦では農業の後継者問題はありませんと言い切ってました。収入がありますので跡取りには困りません。日本全体を見合しても特別の地域です。
鈴木さんも農業高校で10年間勤務した後、2016年4月より家業を継いで専業農家となりました。小学生の農業体験にも熱心に取り組んでます。
父親の鈴木浩之さんは有名な農業者で農薬を減らし有機肥料中心の農業のパイオニアの一人です。朝日農業賞を始め様々な賞を受賞しています。
5400坪の農地を父親夫婦と息子夫婦で経営しています。1年間に100種類以上の野菜を栽培するというのですから驚きです。
鈴木さんは農業は楽しいと断言しています。存続が危ぶまれている多くの地域の農家の皆さんにとって鈴木さんの姿はうらやましいことと思いました。
農家が代々受け継がれていくのですからこれは強いです。ただ、その反面、よそからの農業希望者の流入には冷たいと正直に語ってました。
宿泊先に向かう前に海の駅に立ち寄りました。「うらり」と名付けられた施設は、漁港版の道の駅で海産物を中心に販売しています。
昭和の面影を残すレトロな街並みも見て回りました。古いレコード屋さんなどもあり時間があればぶらぶらしたくなるような街並みです。
三浦半島ツアーの初日はあっという間に過ぎました。宿泊したのは学校を改修してホテルとした「オーシャンビレッジ三浦」でした。
山もあり海もありほれぼれするような恵まれた地域資源があり可能性に満ちあふれていました。人口減少時代へ立ち向かう拠点となりうると思いました。