三浦半島ツアー2~三浦市の未来を拓く~

28日神奈川県三浦市役所を訪問し副市長、担当幹部職員2人から市政運営の現状と課題をヒアリングできました。懇切丁寧な説明に感謝です。

三浦市というと明るい話題が聞こえてきません。日本創生会議は神奈川県内の市のうちで唯一消滅可能性都市として発表されました。

その根拠は急速な人口減少です。1995年5万4千人だった人口が現在は4万3千人台に落ち込みました。23年で1万1千人減少ですので急ピッチです。

しかし、一方で小網代の森に代表されるようなすこぶる恵まれた地域資源も存在します。活路は見出せると思えてなりません。

三浦市は2010年度の予算編成に向けて財政危機宣言を発し徹底した行政改革を断行中です。乾いたタオルを絞るとの言葉通りの経費切りつめが実施されてます。

議員定数は13人ということでした。人口1万7千人強の開成町は12人です。議会の方も徹底した行革路線を実施していることがうかがわれます。

吉田英男市長は元銀行マンです。きめ細かく歳出をチェックし無駄を徹底し省いているのだと想像します。昨年度の行革効果は20億円台です。

地場産業や観光の振興のために様々な発信を行っているほか小児医療費の助成も中学3年生まで無料としています。苦労がしのばれます。

財源構成は、今年度予算で市税56億円、地方交付税が39億円、国庫支出金が23億円、市債の発行が26億円です。自前の財源が乏しいことがわかります。

ここまで三浦市の財政を追い詰めた根本理由は100億円規模の埋め立て事業を実施したのにもかかわらず企業誘致が実現できなかったことにあります。

幸いにしてレジャー系の企業による進出の話しがあるようですが土地の価格の下落が著しいのでとても元は取れないことは言うまでもありません。

この借金返済のめどを何とか付けることができれば三浦市の財政は随分と楽になります。期間限定で思い切った対策が必要だと思います。

私が目を付けたのはふるさと納税です。三浦市は海の幸山の幸の宝庫です。三浦の魚介類はマグロに代表されるようにブランドです。農産物も大根があります。

徹底して活用しない手はないのではないかと思います。現状は1億円台の寄付額となっているということですが合点がいきませんでした。

メニューはきわめて豊富だからです。市の方針としてふるさと納税業務に過度の人員を充てるようなやり方はしないということでした。

しかし、三浦市は借金の負担が減れば一気に蘇ります。期間限定でも良いのでふるさと納税の寄付額を大きく増やし借金の返済に充てたらどうかと思います。

入るを図って出を制するという財政運営の鉄則があります。出は制しているのですから入るを図ることができれば随分と楽になります。

高校の跡地もあります。三浦市らしい企業誘致を考えるチャンスでもあります。素晴らしい環境を考慮すると研究開発型の企業誘致の取り組むのが妥当だと思います。

観光振興でトップセールスで駆け回っている吉田市長ならば企業誘致も必ず成功に導くと思います。財政が安定すれば三浦市の未来は一気に拓けます。