「得るは捨つるにあり」

 丸山敏雄ささんという倫理運動の提唱者がまとめられた「万人幸福の栞(しおり)」という本があります。17か条に丸山さんの教えのエッセンスがまとめられています。

 個々人が参加する家庭倫理の会では毎朝、企業の経営者らが入っている倫理法人会では週に一回、会員が集まって17か条の教えを一緒に読み上げます。短い言葉がストンと肚に落ちます。

 私の現在の心境を文字通りあらわしている言葉もあります。12条の「得るは捨つるにあり」という言葉です。一切合切を捨てる覚悟がなければ得るものを得ることができないということです。

 にっちもさっちもいかない時こそがチャンスだと書いてあります。一生に二度と出会うことの無い大窮地に陥った時こそが度胸の見せ所と書いてあります。一切をなげうって捨ててしまう覚悟が大切です。

 私も県知事選挙、衆議院選挙と二連敗して進退厳しい状況に追い込まれました。あれこれ悩みましたがこの際思い切って参院選で勝負という決断をしました。「得るは捨つるにあり」との丸山さんの言葉に押されました。

 突然の事ですので様々な意見が出ます。当然のことです。しかし、何を言われようとも活路を見い出すしかないと思いました。結果は判りませんが頑張るだけ頑張って天命を待つしかありません。

 著名な国際政治学者で新党改革の代表の舛添要一さんが参院選に向けて不出馬宣言をしました。捨て身の勝負はしないとの判断です。私は舛添さんの才能からしてもう一勝負すると思っていました。

 私は勝負、舛添さんは退却でした。人それぞれです。私は自棄を起こしているのではありません。あくまでも「得るは捨つる」との教えを冷静に受け止め活路を見い出そうとしています。