大将の一石が神奈川県西部の地域政治を揺らす。

著名ラーメン店、なんつッ亭の大将こと古谷一郎さんが地元秦野市の地域政治に放った一石の波紋はご本人が思っている以上に大きいです。

古谷さんは国政ではなく県政への挑戦の方向になったと伺いました。私はこの選択の方が古谷さんの力を発揮できると思いました。

古谷さんの知名度をもってすれば2議席自民党の独占の選挙区に割って入るのも夢物語ではなくなります。さすがの自民党も構え本格的な選挙戦となります。

その自民党は大きな世代交代期に入ってます。県議当選9回の超ベテラン議員の久保寺邦夫さんが次期県議選には出馬しないからです。

重鎮の退場に代わって出馬するのは市議会議員当選1回の加等剛さんです。81歳から45歳へ劇的なバトンタッチが行われました。

久保寺さんのしたたかさなのかそれとも自民党としての判断なのか候補者の交代の背景はうかがい知れませんが私は久保寺さんの執念の表れだと私は見ます。

ご自身が元気なうちにドラマティックな引き継ぎを行い権勢を堅持しようということだと思います。白羽の矢が立ったのが新進気鋭の加藤剛さんということです。

政治の世界は嫉妬とやっかみが渦巻く世界です。一気に若い世代への交代ですので先輩議員の腹の内は面白くない可能性があります。

そこは地域政治で君臨してきた久保寺さんの権威を持って制圧するしかありません。それができると踏んだからこそのご指名でしょう。

もう一人の自民党県議会議員は異色の存在です。神倉寛明さん、40歳。秦野市議会議員で圧倒的な得票を誇り2回トップ当選の後県議へ転じました。

神倉さんの秦野市議選の断然トップ当選は鮮烈でした。やんちゃな過去を持つ青年が政治の世界に打って出て変革するというイメージを放ちました。

そのイメージづくりに一役も二役も買ったのが大将こと古谷一郎さんです。神倉さんの親分然とした古谷さんと神倉さんのポスターは今でも印象に残ってます。

古谷さんにとって政治を変革すると言いながら自民党への転身を図った神倉さんの政治スタイルはとても許容できません。選挙戦となればバトルは必至です。

自民党が一気に世代交代、神倉さんと古谷さんの因縁の対決。これほど話題が豊富な県議選が神奈川県西部の地域政治にあったでしょうか。

メディアの注目度は高まりひょっとしたら県レベルを超えて統一地方選挙における全国レベルの注目選挙区になる可能性があります。

古谷さんのまっとうな政治を取り戻すの一点張りの衝撃は少なくとも近隣の地域政治に影響を与えるのではないかと思います。

県西部の中心都市の小田原市も定数が2議席で強力な組織を持つ2人の2世の自民党議員が議席を独占しています。秦野市と似たような構図です。

秦野市の大将の一石が小田原にまで波及する可能性もなしとはいえません。前回は2人の候補者が新人であったのに3人目の候補者は出ず無投票でした。

2回も連続無投票で良いのかという声は上がって当然です。小田原選挙区においても大将の一石の波紋が広がってくるのではないかと思います。