自治会は、まちづくりのソフトパワー。

22日東京・世田谷ボランティアセンターの一行9人が開成町にやってきました。開成町の小さな地域の福祉と防災について話が聞きたいということでした。

私の研究室は、世田谷区内の日本大学三軒茶屋キャンパスにあります。近くに世田谷ボランティアセンターがあることから交流が始まりました。

小さな町のきめ細かい防災のり方が話題になりました。大都市部にも応用できる視点があるのではないかということです。

それならば実際に現場を訪れ関係者と意見交換をしたほうが手っ取り早いということになり今回の開成町訪問となりました。

開成町社会福祉協議会の小澤清司会長ら社会福祉協議会の皆さんと防災に関する取り組みを進めている中家村自治会の皆さんが対応してくれました。

社会福祉協議会のスタッフが開成町の地域福祉の現状と課題をテキパキと説明しました。神奈川県で一番小さな面積の町でも地域の違いが顕著です。

地域の違いを受け止めて福祉や防災を支えているのが自治会の存在であることがポイントです。大都市の皆さんには新鮮だったと思います。

開成町の自治会活動の取り組みの最前線にいる中家村自治会の防災、福祉について実際に取り組んでいる皆さんから実践報告がありました、

自主防災組織が自治会ごとに整えられているのは多くの地域で一緒です。中家村の特色は活動を側面から支える仕組みにあります。

若いお父さん方のグループのサポート、それに中学生の防災活動への参加などがあります。若い世代の力は極めて頼もしいです。

しかし実際の災害の時に必ず活動に参加できるかどうかという課題が残されていることも話題になりました。大切な視点です。

「おたがいさまネット中家村」という新たな取り組みの紹介が代表の小川周作さんからありました。ユニークな挑戦だと感心しました。

1人暮らしの世帯などでゴミ出しができないなどの悩みを元気な高齢者が支えゴミ出し1回100円といった低料金でお手伝いします。

元気な高齢者もサポーターとしてこうした社会活動に参加することでさらに元気になることが考えられます。一挙両得です。

最後は女性に視点から防災に取り組んでいるグループから活動紹介がありました。たんぽぽと名付けられた女性グループが目覚ましい活躍をしてます。

「あじさいちゃんと学ぼう防災ブック」という小冊子を作成し防災の啓発活動に役立てています。「あじさいちゃん」とは町のイメージキャラクターです。

家具の固定などの普段の備えから避難所のこと、非常食のレシピまで細かくイラスト入りで紹介されてます。役立つ情報満載です。

中家村自治会の様々な取り組みを伺っていて地域の福祉と防災活動が進化していると実感しました。こうした自治会活動があることは大きな力です。

ソフトパワーという用語があります。パワー、力というと強大なものをイメージしがちです。文化とか音楽とかソフトな分野が持つ力も侮れません。

まちづくりにおいては自治会はソフトパワーの最たるものです。中家村自治会のように新たなチャレンジを続ければパワーは更に強まります。