ゲストティーチャー、スタート。

日本大学、神奈川大学で行っているまちづくり講義、前期も終盤となってきました。ゲストの講師を迎えて実践の現場の話をしてもらう計画です。

トップバッターは3月まで神奈川県開成町副町長を11年務めた小澤均さんです。昨日、神奈川大学で、来月5日には日本大学で現場の話をしてもらいます。

私も町長職を離れて7年余りが経過して今現在のまちづくりの現場の話しには疎くなっています。どうしても過去の話に偏りがちです。

この状況を補ってくれるのがゲストティーチャーです。現場感覚を持って語ってくれますので学生たちにとって活き活きとまちづくりのイメージを抱けます。

昨日の小澤均さんの話は「まちづくりに極意はない。」、仕事の結果は、「情熱」と「誠意」と「運」で決まるという話から始まりました。

まちづくりには様々な決まり事や規制があります。しかし完ぺきなお手本はなく参考にするだけです。自ら創り上げていかなければなりません。

自ら実践していくためには実務を学ぶ以前に心構えができていなければなりません。小澤さんは「情熱」をいの一番に上げていました。

開成町の南部地域全体の開発計画の当事者ですので自らの体験に基づいて仕事の進め方を話しました。街づくりのイメージを描くことを強調してました。

こまごまとした開発の中身ではなくその地域全体がどのような街になるかをイメージできるような全体図を作成することが大切だということです。

素人には都市計画の難しい話はハードルが高いです。視覚に訴えて全体の理解を深めることが大切だということです。重要な視点です。

理解があって初めて前向きに説明を受け止めてくれます。全体の事業費やそれぞれの地権者の負担の話なども聞く耳を持ってくれます。

もう一つ小澤さんが強調していたのがスピードです。開成町南部地域の開発は着手から8年で完了しました。倍かかってもおかしくない事業規模です。

着手したのならば一気呵成に進め様々な環境の変化のリスクを避ける姿勢が不可欠です。私も実際に携わった立場として全く同感です。

最後に小澤さんは自らの40年の公務員人生を振り返ってもう一度、情熱の大切さを語っていました。情熱で始まり情熱で締めくくられました。

講義後、学生から拍手が贈られました。小澤さんの印象は「今の学生はまじめですね。」でした。私語もなく話を聞いていました。

講義が終わった後、私が「公務員試験を受験する学生に一言」とお願いしました。面接が大切だと答えた後に「センスを見ます。」ということでした。

頭でっかちではない個性豊かな学生を求めているということだと理解しました。センスを磨くには私は体験しかないと付け加えました。

センスは勉学では身に就きません。ボランティア活動など実際の現場体験がセンスを磨くもとです。大いに挑戦して欲しいと思います。

ゲストティーチャー、この後、横須賀市の新進気鋭の市議会議員、躍進著しい海老名市の内野優市長に登場していただく予定です。