台風の影響もあって日本列島、大気の状態が不安定となってます。梅雨明けしたはずの関東甲信地方も梅雨末期のような集中豪雨に見舞われてます。

昨今の集中豪雨は、局地的でしかも時間雨量50ミリを大幅に上回る雨量が降り注ぎます。100ミリ超えも全く珍しくなくなりました。

山林の保水力を大幅に上回る雨量のため一気に河川に流入しますので河川の増水は急激です。土砂崩れがあれば樹木とともに河川に流れ出します。

中下流部を洪水の危険にさらしながら濁流は海へと流れます。再び海が太陽によって熱せられて水蒸気となりやがて雲となり再び雨となります。

自然の水の循環のサイクルといえばそうなのですが明らかにバランスが崩れていることはだれの目にも明らかです。本来の水循環ではありません。

神奈川県西部地域でも2007年から2010年にかけて集中豪雨が相次ぎました。特に2010年9月は時間雨量100ミリを超えました。

県西部を流れる県管理の二級河川酒匂川の上流部では土砂崩れが頻発し300年前の富士山の噴火の際に堆積された砂が大量に河川に流れ出しました。

水循環のバランスが崩れている被害のすさまじさをまざまざと目にしました。この災害がきっかけとなり上流部と中下流部の連携が強化されました。

神奈川県と静岡県をまたぐ地域なので県の壁があったことは否めません。上流から下流部ま一つの地域ととらえる考え方が強まったことは好ましいです。

上流から下流部までは一つという考え方をもう一段強化していくと、かの有名な「森は海の恋人」というスローガンに行き着きます。

上流部において森を豊かによみがえらしたりまた人の手がきちんと入る形の山林利用を進めて行くことの重要性が込められています。

現在のように異常気象が常態化してしまっている状況下において山林の保全は喫緊の課題です。大災害に直結することが明々白々であるからです。

ここで見落としてはならない重要な視点があります。水循環の考え方を上流から下流で閉じてしまってはならないということです。

自然の流れに加えてひとは人工的に手を加えて水を利用します。酒匂川の水は横浜、川崎といった大都市部の飲料水となって送られています。

取水量の86パーセント程度の量に及びます。大都市部も水循環の一翼を担っているという事実を忘れることがあってはならないのです。

上流部の山林で土砂崩れが起きて下流部の取水システムにまで支障をきたし大都市部の飲料水に影響が出れば一大事となります。

神奈川県の西のはずれの山林と河川の水循環と大都市部は利水を通じて実はつながっていて広い意味での水循環として捉えることが大切です。

大都市部の住民に飲料水の源となっている地域の現状を理解してもらうためには県と横浜市を始め関係する自治体がタッグを組むしかありません。

調整の要は県です。県の役割として再認識して取り組みの強化が不可欠だと思います。そのためのキーワードとして”水循環”があります。