”水循環”から地域防災体制の再検討へ
昨日のブログで”水循環”などというあまり聞きなれない言葉を紹介しました。この言葉は、もちろん私が編み出した言葉ではありません。
治水を学ぶ住民グループの勉強会とイベントが夏から秋にふたつ行われるので事前調査のため神奈川県広域水道企業団にお邪魔しました。
県の広域水道企業団の幹部の方へのヒアリングの際に”水循環”という言葉が考え方が国土交通省が注目していると教えてもらいました。
ふたつの取り組みとは、ひとつは、足元の地域の災害の歴史を学び直し子供たちに伝える活動をしている足柄の歴史再発見クラブが実施するものです。
今月18日に故郷を流れる酒匂川の水が小田原市内の取水堰で取水されて大都市に運ばれどのように利用されているのかを実際に見ます。
ご興味のある方はぜひご参加ください。午前8時半開成町役場出発で横浜・川崎市内の水道施設を見学します。昼食は横浜中華街です。
参加料金は1500円程度で昼食代は別です。ご連絡は、junwind@siren.ocn.ne.jpまでお願いします。定員(25人程度)になり次第締め切りです。
もうひとつの催しは「富士山と酒匂川 噴火と減災を考える会」主催のシンポジウムです。11月に開催予定で酒匂川の治水そのものを対象に考えます。
昨年6月に酒匂川流域の首長に参加してもらいシンポジウムを開催しました。流域全体の行政がもっと連携を取り合うことで意見が一致しました。
11月のシンポジウムは、国の役割にも焦点を当ててふたつの県にまたがる酒匂川の治水にあり方を考えたいと企画を練っているところです。
話を戻します。”水循環”という言葉の持つ潜在力に関心を持ちました。この言葉によって縦割り行政の壁を越えることができると思いました。
まず上流部と下流部までが一つのものだという考え方によりここばらばらに対応しがちな市町村の壁を打ち破ることができます。
続いて水源地域と水を利用している大都市部とを結びつけることで大都市の行政や住民の水源地域への関心を呼び覚ますことができます。
更に神奈川県西部を流れる酒匂川は静岡県とふたつの県にまたがっている県管理の河川なので県の壁をも越えて対応すべきだとの考え方を喚起します。
もう一つ重要な視点があります。”水循環”という考え方を取り入れることで自然環境を再生し保全することと直接治水を行う分野を結びつけます。
環境分野、林業分野、土木分野の連携を求めているのです。行政の縦割りの壁を超える強力な考え方となる可能性十分です。
そして最後の最後に全体を取りまとめる喫緊のテーマがあります。超集中豪雨の時代に今すぐ、ただちに備えなければなりません。
地球温暖化によってもたらされているとみられる異常気象により”水循環”が狂ってしまっているのです。総力を挙げて立ち向かうしかありません。
地域の住民も行政も大都市部の住民も行政も束ねる役割を担う県も”水循環”を基盤にしてまとまり国の力を引き出して立ち向かう体制づくりが急務です。