参議院銀定数6増を考える。

一票の格差是正と国会議員の定数削減はセットだと思い込んでいました。ところが逆に増やすことで解決を図る一手がありました。

理屈の上では一票の重みが最も軽い選挙区、今度の場合は埼玉選挙区の定数を増やせば確かに一票の格差は縮小します。

しかし一方では国旗愛議員自らが身を切る覚悟を示してこそ国民の政治の信頼は増すという倫理観もあってそうした手法は選択外でした。

今回の参議院議員定数をめぐる結末は掟破り、禁じ手を使ったと考える国民が大多数だと思います。政治に対する信頼がまたもや揺らぎます。

まっとうな正論がどこかに飛んでしまって小手先の取り繕い、みんなで渡れば怖くない式のやり方に対してはうんざりです。

一番の責任は政権与党の中核の自民党にありますが野党も含めて国会全体の問題です。野党だってかなりの責任があります。

今回の参議院の定数問題を難しくしたのは言わずと知れた合区問題です。鳥取、島根、徳島、高知の各県は選挙区から代表を出せない可能性があります。

対象地域にとっては由々しき重大問題です。鳥取と島根、徳島と高知、それぞれ近接しているとはいえ歴史的文化的背景は全く異なります。

無理やり一緒にした付けが噴出した格好です。この反発は十二分に理解できます。人口が少ない地域をないがしろにしてはいけません。

人口減少地域の方が国会へのパイプを確保し主張を届けることが必要だからです。合区地域にとっては死活問題ととらえるのは理解できます。

合区の解消と一票の格差の是正を両立させるのは困難極まります。合区を解消しただけで格差は跳ね上がるのですから当たり前です。

迷走した末の結論が定数を増やしてし増すしかないとの結論です。合区により議員を選出できな県の代表を比例代表の方で救済しようと画策しました。

いわば特別枠です。これで2議席増です。同時に一票の格差の是正のために埼玉選挙区の議席を1議席増やしました。これがみそだと思います。

大都市部の選挙区の定数が増え野党の含めて全政党の議席獲得の可能性が増大します。野党の反発が和らぐとの読みがあったと見ます。

参議院は3年ごとに半数が改選されるので3議席×2で6議席増の法案が成立となりました。全政党とも本音では容認していたと疑ってます。

自民党の近未来の総理大臣候補の小泉進次郎さんが定数増を問題視していて、どう行動するか注目を集めましたが結果は賛成です。

造反するだけの確信がなかったのでしょう。オオカミ少年にならないようにして欲しいです。いうだけならだれでもできるとの批判も出ます。

参議院の在り方をめぐって根本的な議論が不可欠です。一票の格差を是正しようとすれば定数を増やし続けることになりかねないからです。

人口は減少です。合区対象の選挙区は今後も増えます。そのたびに比例代表で特別枠を設け、一方で人口増の選挙区を増やせばそうなります。

泥沼状態に陥ります。抜本改革待ったなしです。小泉進次郎さんが本当の本気ならば参議院の抜本改革を提唱し国会改革に果敢に挑戦するのが筋です。