神奈川県議会でも合区の悲劇あり。

参議院で強制的に合区された鳥取・島根、徳島・高知の4県の有権者は、今国会で成立した公職選挙法の改正で救済されることになりました。

ただしアッと驚く定数増という禁じ手でした。しかし喜んでいる有権者の方が多数派だと思います。人口減少に悩む他県の有権者も同様でしょう。

人口だけで定数の配分が決まる現行の公職選挙法の仕組みでは、今後どんどん地方の定数は少なくなります。合区という手段も今後もあり得ます。

一方で水やエネルギーや食糧の供給拠点でもあります。大都市の豊かな生活のために犠牲ばかりを強いられ、不満は底流に流れているはずです。

今国会で定数増での決着が図られたのは弱者の声と向き合わざるを得ない立場の国会議員が自民党の中枢を占めていることがあったのは確実です。

実力者の二階幹事長は和歌山が選挙区です。竹下総務会長は島根県です。橋本参議院議員会長は、北海道、吉田参議院幹事長は長野県です。

安倍総理大臣は、三世議員で生まれ育ちは東京ですが選挙区は山口県です。岸田政務調査会長も二世議員で生まれ育ちは東京ですが選挙区は広島です。

見事に地方シフトです。大東京の政治家は一人として幹部になっていません。合区のデメリットの解消に動いた一番の要因だと思います。

神奈川県でも合区が強制的に行われました。私が住む神奈川県西部の足柄地域です。南足柄市と足柄上郡5町の選挙区が合区となりました。

定数が1減ってその分は大都市の川崎市川崎区に回りました。人口増が進む川崎市はど真ん中の中心部の人口が再び増えているからです。

横浜市は人口減少が一部で進んでおり横浜市南西部の住宅地域、港南区の定数が1議席減り川崎市高津区の定数が1増えました。

2増2減で定数105は維持されました。参議院のように人口減少地域への配慮はありませんでした。人口のみで割り切って配分が決められました。

この背景は明らかです。横浜市と川崎市選出の県議会議員の数が圧倒的だからです。横浜市40議席、川崎市が17議席です。

両市は政令指定都市と呼ばれ県とほぼ同等の権限を持つ大都市です。同じく政令指定都市の相模原市の8議席を加えれば105議席中65議席です。

一方県西部全体の県議会議員は5議席です。多勢に無勢状況です。いくら叫んでもその声はかき消されてしまうでしょう。

国会のように県西地域に大物県議が存在すれば影響はあったかもしれません。しかし、新人議員が5人中4人では勝負になりません。

先週のブログで紹介したように県西部地域は県民全体の水がめ地域です。命の水を送ってます。それにしては冷たすぎるといえます。

県の力に頼らずに自力で地域の経営が成り立つ地域ではありません。県の力、県を介在して国の支援が必要な地域です。

こうした地域の県議の定数が一方的に削減されて県の支援を必要としない大都市に配分されるという根本矛盾をもはや放置はできません。

県議会としてこの重大課題を議論する場を作るべきです。県西地域の県議は、新人が多いとはいえせめてそのくらい実現させて欲しいです。