人口の少ない地域の議員定数を減らして人口が増加している地域の議員定数を減らすのが議員定数改革だと思い込んでいる人が多いと思います。

公職選挙法が人口を基礎としている以上現行の法制度の下では原則は変えられません。しかし、別の観点を加味して議員定数問題を考えることは可能です。

例えば面積です。人口は少ないけれども広大な面積を有していればそれなりの配慮があっても良いです。総合的判断という考え方です。

今回の神奈川県議会の定数是正議論では面積は考慮されませんでした。強制的に合区された南足柄市と足柄上郡5町の面積はおよそ380平方キロです。

横浜市の435平方キロに迫ります。合区されたので南足柄市と足柄上郡5町の議員定数は1となります。横浜市は40議席です。

面積の多くは山林が占め横浜や川崎に送られる飲料水の水源林でもあります。40倍の格差はいくらなんでも多すぎるのではないでしょうか。

権限という観点から県議会議員の定数問題を考えることも十二分に可能です。政令指定都市は県とほぼ同等の権限を有するとされています。

神奈川県では、横浜、川崎、相模原の3市が政令指定都市に該当します。県人口の三分の二が政令指定都市という特異な県です。

神奈川県、横浜県、川崎県、相模原県という4県が存在するといっても過言ではありません。人口最小の鳥取県の59万人を大きく上回ってます。

特に横浜市は人口374万人の日本最大の市です。実に鳥取県の6倍強です。完全に独立した県と位置付けて全く不思議はありません。

実際に事実上の独立を目指しています。特別自治市構想です。これは県が横浜市域で行っているすべての業務を市で行うことを目指してます。

当然のことながら権限だけでなく財源も移譲を要求しています。神奈川県から離脱し特別の独立した自治市となるということです。

この特別自治市論議には盲点があります。県議会議員はどうなるのかという問題です。事実上独立した場合も同数必要かということです。

権限も財源も市が握るのであれば少なくとも半減、三分の一程度という考えもあるでしょう。市議会議員がいれば十分という極論もあるでしょう。

横浜市選出の県議会議員はこの特別自治市構想と県議会議員の在り方の問題を真正面から受け止めて行く必要があると言えます。

人口減少地域の定数を減らすだけが県議会銀定数の問題解決ではありません。面積といった別の要因や県と市の権限配分にも目を凝らして議論が必要です。

圧倒的多数を握る横浜市をはじめとする政令指定都市の県議会議員に匕首を突き付けるような議論ですので半端な覚悟では口にすることもできません。

しかし政令指定都市が三分の二を占め、最大都市の横浜市は県から事実上の独立を目指しているという現実を見据えれば議論は避けられません。

どなたか勇者の県議会議員が出てきて神奈川県の議会のあり方の本質をえぐる問題提起を期待してやみません。できれば横浜市から出てきてほしいです。