7月初めの中部から西日本一帯を襲った集中豪雨の記憶はまだ生々しいです。酷暑の中で避難所暮らし、自宅の片づけ、大変な苦労がしのばれます。

総雨量と被害の大きさは一致しませんでした。ゆずで有名な高知県の馬路村は6月末から7月初めまでの11日間のデータで1852ミリも降りました。

しかし被害は出ていません。死者107人行方不明者7人という最大の被害を出した広島県内各地域の雨量は800ミリ以下です。

地盤の違いがあります。広島県は真砂土といわれる軟弱な地盤の上にあります。海と山との距離が近いので山裾まで宅地開発が進んでいます。

広島県では4年前の8月の集中豪雨の際にもにも74人の犠牲者を出しました。集中豪雨の際の土砂崩れはいわば宿命だといえます。

台風は西から東へ来るという常識は通用しませんでした。台風12号は、進路が逆コースであることに伴って風の影響が思わぬところに集中したりしました。

台風が通常と異なる動きをするときは要注意です。2010年9月の台風9号は北陸から南下して静岡県東部と神奈川県西部に記録的集中豪雨をもたらしました。

いずれにせよ記録的集中豪雨は毎年発生するのが当たり前の時代になったと断言して良いと思います。対応策を急ぐ必要があります。

全国各地域で地理的条件が異なりますので都道府県単位で市町村と調整し再検討が急務です。その上で国との連携を考えるのが筋です。

足元から自発性を持って議論することが大切で何でもかんでも国に対し災害対策を要望するというのでは実効性のある対応策につながりません。

河川は流域で対応が大原則です。市町村同士の横の連携がまず基本、それと広域自治体である都道府県との縦の連携が不可欠です。

横と縦の連携の在り方現状で良いかどうか緊急の再点検が課題だと思います。行政の縦割りの壁は想像以上に厚く連携は取れていないことが多いからです。

東洋では、山を治め水を治める治山治水は政治の根本だと言われてきました。この伝統がおろそかにされて被害が多発している側面は否めません。

治山治水の伝統をもう一度地域ごとに見つめ直し正すべきところは大至急正していくことが必要です。市町村と都道府県は緊急の合同会議が必要だと思います。

来年4月には統一地方選挙があります。治山・治水対策は地味なテーマではありますが極めて重大な論点に浮上しました。大いに論じ合う必要があります。

選挙で大いに論じ合うことは治山・治水に関心を持ってもらう啓もう活動につながります。各政党、各立候補者それぞれ知恵を絞った対応策を掲げるべきです。

神奈川県で言えば横浜、川崎という人口密集の巨大都市を抱えている一方で私の住む神奈川県西部や県央地域には箱根山や丹沢山が控えています。

県庁は横浜にあります。横浜で大水害が発生しそのほかの県内でも大規模な水害が発生した時に、円滑な対応が取れるのかどうか懸念されます。

こうした現状を踏まえて各立候補者や政党が選挙で治山・治水対策を論じあい選挙後は行政に積極的に提言していくのが建設的な地方政治です。