神奈川県開成町長選挙、真の争点2-1

いよいよ開成町役場の新庁舎の本体工事の建設が始まろうとしています。30数億円の税金を投入して行う50年いや100年に一度の一大事業です。

府川裕一町長は小さな町としては世紀の歴史的な事業に当たっている訳ですので政治生命をかけて取り組む自覚を持つのは当然です。

事前の土地購入費用を含めた関連事業予算の30数億円という金額は50億円規模の一般会計の町では極めて大きいです。しかもおよそ三分の2は借金です。

将来世代の負担を強いてまで建設するわけです。府川裕一町長は、何のために新庁舎を建設するのか明確に問い直し町民に説明する必要があります。

立派な庁舎を建設して自分がその町長室の椅子に座り高いから建設するなどとはよもや考えていないとは思いますが説明責任を果たさないと誤解を生じます。

2015年の町長選挙を目前に控え、府川町長と私と3月に解任された小澤均前副町長の3人で数回あって町長選挙の政策を詰めました。

府川町長はほとんど発言せず最終的には小澤前副町長が選挙政策をまとめました。この過程で府川町長が唯一自らの意思を示した課題があります。

新庁舎建設です。3・11の被災地を視察に行って役場庁舎が災害時に果たす役割を痛感したのかもしれません。こだわりを持っていたのは事実です。

しかしどのような庁舎を建設して防災のためにどのような機能を果たすのかは一切具体的には語りませんでした。防災のために建てたいというレベルでした。

その意思を貫徹して新庁舎建設に進むことはトップである以上当然のことです。しかし、何のために建てるのかの原点を説明する必要があります。

公共施設として化石エネルギーの使用を抑制するタイプの初めての施設であることが盛んに強調されていますがこれはあくまでも二次的な理由です。

府川町長が唯一こだわっていた防災の拠点としての庁舎建設の具体の中身をきちんと説明することがトップとして必要不可欠です。

防災拠点といってもわかったようでわかりません。防災拠点とは何であって建設することによって役場の防災対応がどう変わるのかです。

箱だけつくればよいという話ではありません。立派な箱ができたことにより防災対応全般がどう変化し町民の安心がなぜ増すのか説明が欲しいです。

役場庁舎を万全にすること自体は役場内のコンピュータを始め様々な機材を守ることにつながります。もちろん職員の安全にも資することになります。

問題は守られた敷材や職員たちが町民の安全を守るためにどのように行動するのかです。そうでないと余りに職員優先の建設になってしまいます。

旧庁舎を前提にした防災対応はリセットしてゼロベースで防災対応を考えるのは必然です。既に抜本見直しの準備をしていて当然です。

そして広く町民に地震や風水害に強い庁舎ができることにより職員の災害対応にこうした変化があるということを町民と広く共有することが大切です。

町民との意見交換の場を持ち町民からの疑問に答える必要があります。防災拠点の建設にこだわった町長の責務が果たされているのかどうかは重要な争点です。