本物グローバル人材を育てる。
2017年ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン「ICAN]の川崎哲さんの話を聞く機会が秦野市でありました。
とにかく冷静です。常に客観的に物事を捉えて感情的に行動することを避けるよう注意を払っているように見受けられました。
冷静であるということは行動的でないということと同じ意味ではないということを実証している人材です。
ウィキペディアで見ると1968年東京生まれ、私立の名門中高一貫の武蔵中高校、東大法学部卒業です。都会っ子エリートです。
今年の2月17日配信の毎日新聞の記事が参考になりました。「受験と私」という連載に川崎さんが登場しているのです。
社会問題に関心が深い青年だったと推測します。在学中から中国や中東を見て回り1991年の湾岸戦争の際に転機が訪れました。
仲間と平和運動のグループを作り、そのつながりで障がい者介助ボランティア活動などの社会活動をはじめました。
大学は2年留年、卒業後も安定した職場とは無縁のホームレス支援活動などを継続しました。
30歳の時に精神的にも限界を感じ平和活動をしているNPOにスタッフとして勤務するようになりました。
2003年からは世界を股に平和活動を続けている「ピースボード」に参加し被爆者と世界を回る企画を立ち上げました。
そこからノーベル平和賞を受賞した様々な人材と直接交流するようになりICANの活動へとつながりました。
多感な青年時代に現実の世界の矛盾に真正面から向き合いその問題解決に携わる仕事を選択したわけです。
そして核兵器廃絶という人類の究極の夢を実現可能だと確信し着実に行動を続けています。
常に実践活動を積み重ねる中で一歩ずつ理想に向かって進んでいます。二宮尊徳の「積小為大」そのものだと思います。
静かなる凄みが漂うわけです。口先だけの人物ではないからです。体験という名の鎧を着ているのです。
核兵器廃絶は理想だが現実にはアメリカの核の傘に守られているのが現実だから核廃絶は夢物語という意見があります。
川崎さんは講演で次のように語りました。核の傘で100パーセントなのかどうかを冷静に見ましょうと。
核の傘だけでなく様々な要因が加わって安全が保たれているのが現実であって単純化は危険ということになります。
仮に核の傘で守られている割合が20パーセントならば他の努力で代替可能ではないかと考える姿勢が大切です。
川崎さんの考えでは核兵器禁止条約に加盟し批准することで逆に日本の平和を保てる可能性を探るということです。
川崎さんはあくまでも冷静でした。だから忍耐強く活動が続けられるのだと思いその姿勢に感銘を受けました。
川崎さんのこれまでの歩みからすると社会問題に関心を持ち一に体験二に勉強といったところでしょうか。
小中学校や各種の講演会に川崎さんを招いて自らの歩みをどんどん語ってもらう機会を持ったらどうかと思いました。
川崎さんのような人材が日本からどんどん輩出されれば日本は世界平和に貢献できる国になります。