「お天道様」を復活させる。

昨日、時間ができたので久しぶりに「新しい道」の勉強会に参加しました。2か月に一回のペースで開成町で行ってます。

杉田廣善さん、89歳、健在でした。千葉県の柏市から「新しい道」の神髄を伝えるため各地で講演会を続けてます。

開成町の講演会は、「開成座談会」と名前がついていて山北町の方が中心になって運営してます。

東京や熱海、石川県の金沢市からの参加者もいます。杉田さんの話をきいて確認したい何かがある方々です。

「新しい道」は1998年に亡くなった松木草垣女史が大阪の羽曳野を拠点に広められた教えです。

杉田さんは松木女史の薫陶を直接受けた一人です。米寿を過ぎた今も教えを広めたいとの情熱が漂ってます。

「新しい道」は日本の立て直しのために明治期の日本には存在していた生き方をもう一度蘇らそうとしています。

最も中心となる教えの肝は「天」です。「天」という存在の中心によって全てが成り立っているのが大前提です。

神も仏ももちろん人間も「天」のもとに存在します。キリスト教でいえば大文字の「GOD(大神)」にあたります。

根本創造主といった方がわかりやすいかもしれません。人は中心の存在たる「天」の差配の中で存在します。

人よりもはるかに高次の存在として神や仏は存在しますが「天」とは次元が異なります。

「天」の意志は、神や仏はもちろんのこと人間にも貫かれています。心の奥底に存在していると杉田さんは言います。

魂というか本当の自分というか真我といいうか言い方は様々ありますが絶対の存在としてあるというのです。

絶対の存在と一体になることができれば、この世は恐れや迷いのない自由自在の世界となります。

「新しい道」の特色は、昼夜を分かたず拝んだり座禅をしたり滝に打たれたり難行苦行は必要ないというところにあります。

自らの目の前で起こるありとあらゆる事象を全て受け止めて通り切ることで自ずと本当の自分に近づくというのです。

なぜこの世に生を受けたのか本来の役割を自覚するようになるというのです。「天」の使命ということです。

「天」の使命を自覚した人間には「天」が加勢しますし祖先たちも目に見えないところで大きな役割を果たすと言います。

杉田さんの話を伺っていると宇宙レベルの壮大な物語の一端を垣間見るような気分になります。

日常のこまごまとした雑事に追われたり自分の欲望を果たすために悪戦苦闘している世界とは異次元の話しです。

日本にはこの異次元の話を受け止める伝統があるというのです。自己中心の欧米にはない精神性だというのです。

「お天道様が見ている」という言葉があふれていた時代があります。杉田さんがいう「天」は俗世界でも存在してました。

しかし、現在では「天」などという言葉を発する人は稀になりました。杉田さんの存在は絶滅危惧種です。

でも杉田さんは怯んでません。日本人の生きざまを正すには「天」を意識する感覚を呼び覚ますことが必要だと確信してます。

老骨にもかかわらずといっては失礼ですが、杉田さんはこの世に生を受けた「天命」を果たすため歩み続けてます。