神奈川県開成町長選挙、真の争点4-1~首長の器(うつわ)~

人物を評価する際に、「あの人は、器(うつわ)が違う。」という言い方をすることがよくあります。

単なる技量があるとかないとかではありません。人間としての総体の力量のことを意味してます。

政治家でいえば器とは政治力といって良いのではないでしょうか。小さな市町村にとって首長の器、政治力は、重要です。

大都市と違いスタッフが揃っている訳ではありません。首長の手腕に頼る側面が大きいからです。

では首長の器をはかるにはどうすればよいでしょうか。平時はなかなか見えません。

非常時に一番顕著に現れます。突発事態の際にどのような行動をとるかを見るのが一番です。

ただ残念なことに突発事態はめったにないから突発事態です。チェックすることが困難です。

平時において起こる小さな突発事態にどう対応するかをみて器を推し量ることが適当だと思います。

開成町の府川裕一町長の器を図るのに恰好な事例があります。5月下旬のことだと聞いてます。

開成町の地域開発と密接不可分な小田急電鉄本社の担当重役が交代となり町長を表敬訪問しました。

事前に連絡があったはずなので突発ではありませんが初めて出会う重要人物という意味では小さな突発事態です。

来年春の小田急線開成駅への急行・快速停車が決定した直後の面談です。どう対応するか練りに練って出迎えるのが常識です。

ところがです。5分も座を取り持つことができず話が途絶えてしまい担当重役は町長室を後にしたということです。

がく然としました。絶好のタイミングの面談なのに町としての姿勢を示すこともなしに終わってしまったのです。

この話は実話です。府川町長は、小田急電鉄に対し今次この局面でどう振る舞ったらよいのか念頭にないのです。

小田急本社内でも府川町長の対応は波紋を広げました。開発事業を進める意欲がないと疑念を持たれたのです。

さらに驚くことがあります。開発担当重役にこうした対応をとりながら社長には対談を申し入れたというのです。

どうやら町の広報で社長との対談を掲載し快速・急行の停車の成果を町民にアピールするようなのです。

担当重役との具体の話は全くできず宣伝だけはちゃっかりするとは…。厚かましくはないでしょうか。

対談記事をいつ掲載するのかわかりません。しかし、来年4月は開成町長選挙で、新人の山神裕さんが立候補表明しています。

選挙がまじかに迫った例えば新年号の特集で宣伝するとしたら税金を使って選挙運動との批判が出る恐れがあります。

一流会社の小田急電鉄が府川町長の見え透いた要請に安直に応じるとは思いませんがどうなるかわかりません。

本題にもどります。首長の器を判断することは、小さな町にとっては死活問題と述べました。

小田急電鉄本社の新任の開発担当重役の来訪という千載一遇のチャンスを活かせない府川町長の器は小さ過ぎます。

それでいてちゃっかり宣伝だけはしようとの対応は、府川町長の器の質は上質ではないことを示してます。