「全員野球内閣」と安倍政権の前途。

自民党総裁選挙が終わり新たな内閣が発足しました。安倍総理は「全員野球内閣」と語りました。

「全員野球」という言葉に安倍総理自身が戦力の低下を前提としているというニュアンスを感じます。

強力な布陣を配したいという願望は抑え総裁選挙終了後の党内の安定を優先した結果が「全員野球」だと思います。

自らの総裁3選に協力してくれた派閥の意向を踏まえて人選し結果として初入閣が12人となったのだと想像します。

余波もでました。女性の一本釣りは不可能となり片山さつきさん一人となってしまいました。時代の流れに逆行します。

昨日のブログで紹介した西郷隆盛は『遺訓』の冒頭で人事について重要な指摘をしています。

「心を公平に繰り、正道を踏み、広く賢人を占拠し能く其職に任ふる人を挙げて政柄を執らしむるは即ち天意なり。」

「官は其人を選て之を授け、功有る者には俸禄を持って賞し、之を愛し置くものぞと申さるる。」

その職責を立派に果たす人物を選んで就かすことがいかに大切かを述べ、人事の論功行賞を慎むよう戒めてます。

安倍総理は明治維新から150年を強く意識している政治信条の持ち主であることは間違いありません。

明治維新の最大の立役者の西郷隆盛の言葉をどう受け止めるでしょうか聞いてみたいものです。

西郷隆盛が健在であるのならば厳しく叱正したに違いありません。派閥ではなく国家を考えて人選せよと。

安倍新内閣の前途は多難です。誰が総理大臣になってもです。とてつもなく厳しい時代に直面します。

戦後ずっと日本はアメリカ一辺倒で政治を運営してきました。その基本が揺らぐ可能性が大であるからです。

軍事面でアメリカに協力し一体化を進める路線をとってきました。これはアメリカからの武器購入と同意義です。

朝鮮半島の情勢が緊張緩和する可能性があろうがなかろうが高額な最新鋭のミサイル防衛システムを売り込んできます。

日本の首都圏の上空、横田基地周辺は、日本の国土内であってもアメリカ空軍の管制下に置かれてます。

在日アメリカ軍の法的な地位を定めた日米地位協定に基づいてすみわけが決まっていて手出しができません。

日本政府は訪日観光客を増やすために羽田空港からの新ルートの開設を目指していますが横田上空が障害となっています。

もちろん経済面では露骨にアメリカの利益を最優先に考えます。自動車と農産物がターゲットとなってます。

自動車に高額な関税をかけると脅されアメリカ農産物の輸入拡大を迫られる可能性が大いにあります。

自動車への高率関税が脅しでなく実施されたら日本の主力産業である自動車への強烈な打撃となります。

アメリカと同盟関係の強化を謳いそこで思考停止してしまっていて良いのかどうか厳しく問われる事態です。

論功行賞の「全員野球内閣」で果たしてこの難局を切り抜けられるかどうか、はなはだ疑問です。

安倍総理、念願の3選は、果たしたものの行く手は大変な荒波です。任期を全うできるかどうか、私は厳しいと見ます。