神奈川県南足柄市「道の駅」構想、慎重対処が順当。
神奈川県南足柄市議会9月定例会で仮称「道の駅金太郎ふる里整備事業」関連予算が認められました。
3月議会、6月議会で否決され3度めの正直でようやく可決、難産と言って良いと思います。
しかしこれで一件落着と見るのは時期尚早でしょう。来年の統一地方選挙で引き続き争点となるのは確実でしょう。
私は、南足柄から箱根へと通じる「南箱道路」が再来年に開通予定であることを開業の契機とする見方に首をかしげます。
本当に「南箱道路」を使って箱根へと向かう観光客が増えるのかどうか明らかに不透明です。
もともとは林道で道路の幅員は5メートルほどに拡幅して県道とする訳です。本格的幹線道路とは程遠いです。
大型バスは通行不能です。普通車がすれ違える程度というのでは危険な山中の道路だと言って良いでしょう。
東名高速、新東名、国道246号線の抜け道という位置づけが順当でしょう。観光道路とするのは無理があります。
災害時の緊急避難路線ともいわれているようですが、これも実効性が疑わしいです。
山道の斜面の道路ほど危なっかしいのはありません。地震、集中豪雨いずれも土砂崩れの危険と隣り合わせだからです。
「南箱道路」への過度の期待は禁物です。開通は、道の駅事業開始のタイミグとリンクさせるのは疑問です。
開通した後、予定通り観光客が増え「道の駅」への期待感が高いようならば建設する方が無難です。
市財政のひっ迫が盛んに言われている現状の中で建設を強行するのは本末転倒ではないでしょうか。
平日は観光客は少ないですので周辺の住民が利用客です。こちらに客が流れると周辺のスーパーは大きな影響を受けます。
この民業の圧迫問題も実際開通して観光客がどのくらい増えるのかによっても左右されます。様子を見るべきです。
建設予定地はスターバックスやファミレスがすでに開業している地域ですので交通渋滞も気になるところです。
こちらも実際に開通した後の交通事情を踏まえて最終判断すべきであると思えてなりません。
隣町の開成町から見て最大の問題が一つあります。南足柄市と開成町は共通重要課題として企業誘致に直面してます。
企業誘致用地は道の駅の建設予定地と連なった地域です。道の駅だけつまみ食いのような開発が許されるのでしょうか。
本来ならば将来的な財源確保を目指して企業誘致のトップセールスを本気で展開しなければなりません。
南足柄市が道の駅事業に傾斜するとなると企業誘致は置いてきぼりを食らう可能性が出てきます。
南足柄市の加藤修平市長は財政難解決の奥の手として打ち出し協議してきた小田原市との合併を昨年12月拒否しました。
自立できると判断したのであれば自立のための本格的財源確保施策を展開するのは当然すぎるほど当然です。
道の駅より企業誘致でしょう。百歩譲って同時進行で対処する課題であることは常識です。
道の駅構想にこだわり本来対処しなければならない企業誘致を後回しにされるとの疑念が消せません。