台湾との国境の町、与那国島議会のドタバタから何を読み取るか。
台湾に最も近い日本の島、沖縄県与那国島。与那国島町のホームページによると111キロと紹介されてます。
人口は、1715人となってます。議員定数は、10人で、今年の9月に町議会選挙がありました。
外間守吉町政を支持する与党と反対する野党が半々となったことから信じられないドラマが生まれました。
議長選挙が行われても辞退者が相次ぎ99回目の選挙でようやく町長支持派の議長が就任の運びとなりました。
議長になると採決に加われないので投票の際に不利となります。互いに議長を押し付けあい続けたのです。
田舎芝居丸出しの事態にメディアが注目し全国ニュースとなって事態が動きました。恥さらしと思ったのでしょう。
私は、与那国島の外間守吉町長とは面識があります。内閣府地方分権改革推進委員会の委員だった時のことです。
2007年から3年間委員を務めましたが沖縄県視察の際に外間町長から陳情が委員会にありました。
国境の町として台湾との交流を進めるため規制を緩和する特区を認められないかという内容でした。
ハードルの高い陳情でしたが私は交流推進の意義を理解し前向きな意見を述べたことを覚えています。
外間町長は現在4期目です。議長選をめぐるごたごたを報じるニュースで外間町長の名前を聞くとは思いませんでした。
外間町長としては与党側が事態収拾に動かざるを得ない事態に追い込まれ少数与党体制になりました。
議会で少数派となることの影響が大きいとの町長と与党の判断がここまでこじれさせたのでしょう。
与那国島には陸上自衛隊の配備が進み安全保障上の対立が鮮明化してきたことが背景にあると私は推測します。
地方議会は無所属議員が多いのが一般的ですが、4人が自民党で当選していて対立状況の厳しさが垣間見えます。
大きな争点が横たわっているにしても議会の動きはお粗末というそしりを受け与那国の名前を汚してしまいました。
こうした事態を引き起こした要因の一つに議員構成もあると思います。女性議員はゼロです。
また若い議員も44歳の方が1人です。女性がいなくて若い議員が少ないことで発想が旧体然となりがちです。
今回の騒動を転機として与那国議会は議会改革に乗り出さざるを得ないです。住民にもっと開かれた議会とすべきです。
住民の側も反省すべきです。こうした事態を招いたそもそもの原因は選んだ側の主権者である住民にあります。
住民は投票に行けばあとは議員にお任せでは議会は変わりません。関心を高めることから始める必要があります。
人口が少なくお互いが顔見知りの町で行動を起こすには勇気がいります。しかし住民が動かなければ変わりません。
メディアから大きな注目を集めた今がチャンスだと思います。自らの地域は自らが治めていく原点に立ち返る時です。
国境の町は、アメリカと中国との対立が激化することが予想され自衛隊配備の今後の行方が厳しく問われます。
地元の安全に直結する重大問題です。住民が本気で考えないとなりません。政治への関心を高めるのは今です。