急流河川、酒匂川の新たな管理体制の構築を求めて。
11日、小田原市内で「富士山と酒匂川 噴火と減災を考える会」シンポジウムがありました。
日曜日の午後で天気も良く行楽日和でしたが会場には来賓と聴衆合わせて180人ほどの参加者がありました。
「砂防・地滑り技術センター」理事長の南哲行さんは、基調講演で神奈川県西部地域の各種災害の危険性を指摘してました。
箱根外輪山の沢筋もいつ何時土砂崩れがあるかもしれません。パネリストの加藤憲一小田原市長も注意喚起してました。
パネルディスカッションで一番印象に残ったのは小田原市自治会総連合会会長の木村秀昭さんの率直な意見表明でした。
酒匂川の河川管理の現状に不安を感じていると管理者である神奈川県県西土木事務所の横溝博之所長に訴えていました。
管理者は「やっています。」と常に現状を肯定します。しかし地域住民の印象と異なることはしばしばです。
地域住民の感情に寄り添って対応することがひつようであることを木村さんの発言は意味していました。
しかし、木村さんは行政にお任せの姿勢ではありませんでした。自らの防災意識を高めて対応する必要性を訴えてました。
西日本集中豪雨でハザードマップ通りに水害が起こった事例をがあり住民側の準備不足を痛感してのことです。
加藤憲一小田原市長の発言で、「リダンダンシー」という専門用語が飛び出てきたことに注目しました。
冗長性という意味の英語で災害対応の基盤整備分野でよく使われます。二重三重に安全を見込んで手当てするということです。
例えば主要幹線が通行不能になった場合代替ルートを確保しておくことが具体的な対策です。
私たちの地域で「リダンダンシー」が不可欠な地域は世界の観光地、箱根における基盤整備です。
富士山の噴火などの大災害が発生した時に孤立の危険性がありきちんと整備された代替道路があることで安全度は向上します。
最後にコーディネーターを務めた会の副会長の幕内忠一さんが酒匂川の河川管理について言及しました。
酒匂川の基盤整備財源の確保の観点からも国管理の一級河川化に向けての検討も必要だとの問題提起を率直にしました。
パネリストには国の責任者である国土交通省河川計画課長の廣瀬昌由さんも参加していました。
財政上の制約もあり極めてハードルの高い要望です。国の責任者の面前で提起したというところに意味があります。
集中豪雨は毎年のように繰り返されて、富士山の噴火も念頭に置いて対応しなければならない時代に直面しています。
神奈川県西部地域に暮らす私たちは本気で酒匂川の河川の管理の在り方を模索していかなくてはなりません。
上流から下流まで山林の管理までも含めて地域自治体と地域住民が危機意識を持って対応しなくてはなりません。
課題を見つけ、管理者である県を動かし国に要望を挙げ災害に強い酒匂川水系の管理体制を構築する必要があります。
旗振り役が必要です。地域の中心都市、小田原市の加藤憲一市長を置いてほかにありません。奮闘を期待します。