日本最大の「市」、横浜市で県議会議員に立候補する意味。

神奈川県内の各地域が抱える諸課題への解決策を考える勉強会、「神奈川研究会」が昨晩ありました。

メンバーの一人で来春の統一地方選挙で横浜市内の選挙区から神奈川県議会議員に立候補する方と意見交換しました。

地域政策となるとはたと困ってしまいます。というのは横浜市は政令指定都市と言ってほぼ県と同等の権限を有してます。

わかりやすく言えば県の存在がなくてもほとんどの行政が運営できる巨大都市であるのです。

横浜市の人口は374万人、鳥取県の人口は、56万人です。6.7倍の格差がありさらに拡大中です。

しかし、県の存在が必要のない市である横浜市に県議会議員がいないのかというと逆です。

議員定数は人口比で決まりますので神奈川県議会議員の定数105のうちの41人を占めています。

こうしたギャップを抱える中で県議会議員に出馬する意義を有権者にどのように訴えていくべきか悩みます。

地域に密着する子育て支援や義務教育、高齢者福祉といった課題はほとんどが横浜市の役割分担です。

県の主たる任務は、広域的な防災、警察、県立高校、県立病院、土地利用規制などが主な任務です。

一般の有権者はこのような神奈川県と横浜市との役割分担はほとんど理解していません。

有権者に受けの良い地域密着の課題を訴えれば横浜市の話になってしまいますし逆は有権者に訴える力が減ります。

このジレンマを乗り越えて鮮烈な政策をいかに考え出していくかが最大の課題で昨日もいろいろなアイデアが出ました。

メンバーの関東学院大学名誉教授の久保新一さんが提起したのが大きな視点から政策を捉え直すということでした。

大きな転換点を迎えているという時代認識に立ってそのための処方せんを打ち出すという心がまえが必要です。

日本、更には世界が抱える大問題を横浜という地域で探し出し解決していくという視点です。

典型的な事例が水害をはじめとする防災対策です。広域防災は県の役割の中で中核をなします。

河川の流れはひとつの都市内だけにとどまりません。上流から河口までを一体のものとして考えなければなりません。

調整役として県の果たす役割は極めて重いです。横浜市内でも同様なことが言えます。再点検が不可避です。

横浜市は都市農業が盛んです。いかに持続性のある農業の姿にしていくかは横浜というか日本の大問題です。

横浜市と連携して学校給食に地元産の安全な食材の供給をシステム化していくことも農業振興につながります。

更に広げてみれば神奈川県内で開発した種子の権利を守る種子条例を制定することは県の役割として重要です。

横浜市域は今後急速に高齢化していくことが確実です。地域の生活の場、コミュニティーの役割が重要になります。

県立高校を地域に開かれた活動拠点として位置づけなおして防災や福祉の面で地域貢献することもアイデアです。

横浜という日本最大の「市」を舞台に市と連携して県が大きな役割を果たす分野を見い出して行って欲しいです。

そうしないと政令指定都市の県議会議員不要論がくすぶり続け存在が問われることになります。