カルロス・ゴーン事件が発する警告
日産のカルロス・ゴーンの欲にまみれた醜態が報じられふっと頭に浮かんだのが「あの世の通信簿」という言葉です。
今回のスキャンダルと直接は関連はありませんがなぜか頭に浮かんできたのです。私にもわかりません。
「あの世の通信簿」という言葉を意識するようになったのは1998年2月に町長に就任して間もないころからです。
町内に住むある方と懇意になりその明るさにすっかり引き込まれました。元国鉄マンで自治会長などを務めました。
明るいリーダーシップにいつの間にか巻き込まれて和気あいあいの雰囲気になるから不思議です。
長男は町役場に勤めていて有能な職員でした。ただ徐々に身体の機能が衰える病気を抱えていました。
奥様も病で倒れ家庭環境は決して順風ではありません。でも底抜けに明るいのです。接すると前向きな気分になれます。
あの世の通信簿が高い方だと直感しました。この世から離れた後は高い次元に舞い戻る方だと思いました。
この体験依頼、あの世の通信簿を高くするために天から与えられた使命を果たすようにしようと意識するようになりました。
ゴーン事件の報道を観て「あの世の通信簿」という言葉が浮かんだのは醜態の度合いがあまりにひどいからだと思います。
この世では巨万の富と権力を謳歌しあの世に行ってからこっぴどく叱られて最低ランクの通信簿を付けられるはずでした。
ところがその欲望と不正が度を越していてこの世で悪事がばれてしまったのです。天は悪事を決して見過ごしません。
欲望に対抗するのは徳です。あの世の通信簿の高い低いはこの世で徳をどれほど磨いたかで決まります。
先ほど事例として挙げた方は身の回りの困難を乗り越えて地域社会のために尽くし徳を磨き続けていたのです。
この方と真逆の存在がゴーンです。お金と権力はいくらあっても徳の世界では貧乏の極致の方です。
あの世の通信簿の低い人物に日産は食い物にされたのです。この損害は並大抵ではなく影響は全世界に及びます。
単純なスキャンダルではありません。金銭欲望の奴隷になり果てた外国人経営者に日本人が支配された事件です。
現代のマネー社会における日本人のみっともない悲しい現実を映し出し日本人に警告を発している事件です。
マネー資本主義の奴隷となってはなりません。そうならないためには別次元の評価基準を持っていなければなりません。
欲望資本主義の時代は限界で終焉に近づいていることをゴーン事件は示しているのだと思います。
時代の大転換期は混乱期でもあります。乗り切るためには欲望ではなく徳の時代をこの世に現出させなければなりません。
金力と権力を持っていてもあの世の通信簿が低い人物、すなわち徳が低い人物に惑わされてはならないのです。
身の回りを見渡してみてください。金力と権力に迎合してはいませんか。寄らば大樹になっていませんか。
金力や権力に媚びるのではなく徳を基準に人物を判断する自覚こそが世直しにつながっていく原点だと思います。