神奈川県西部の自治体の結束で「圏域」の法制化時代に立ち向かう。

「圏域」という言葉を聞いてピンとくる人は地方自治や地方行政に相当に明るい人です。大方の人にとっては???でしょう。

地方自治に関係する仕事をしている人、地方自治体の職員、特に企画畑の職員が知らないとしたらこれは怠慢です。

首長は企画畑の職員以上に情報にどん欲でなければなりません。知っているだけでは足りません。

積極的に各県の市町村課、全国市長会や町村会、総務省に出向き入った今何が進行しているのか探ることが不可欠です。

話は今年7月にさかのぼります。総務省の研究会「自治体戦略2040構想研究会」が第二次研究報告書を発表しました。

各自治体行政を「圏域」の中に位置づけてどのように進めるかを打ち出してきたいのです。

なぜかは単純明快です。「2040」という数字を見て関係者ならばすぐに響かなくてはなりません。

増田寛也前岩手県知事がまとめた衝撃のレポート896自治体が消滅の可能性があるとされた節目の年です。

人口が急激に縮小する時代にあって現在の自治体行政の在り方を根本から見直そうという発想です。

そのキーワードが「圏域」なのです。中核となる都市と周辺のいくつかの市町村をひとまとまりでみることです。

これまでの広域行政と同じと思ってはいけません。総務省が考えているのは「法制化」であるからです。

「法制化」となると形を変えた事実上の統合と同じことになります。「市町村合併」との中間形態と言えます。

中心となる都市が果たす機能、周辺の市町村が果たす機能、役割分担を明確にし無駄な行政投資を抑えようとしてます。

これまで通りの住民サービスの展開に支障きたすケースもあります。この分野は最先端技術で補う方向です。

具体の中身が詰まっているのではありませんので現在は方向性をよく知ってどう対応するかを考える時です。

三大都市圏は別枠となっていることに注意しなくてはなりません。それは人口の急減地帯と見られているからです。

特に東京圏は逆に人口が集中することによる諸問題、特に首都直下型地震という大災害リスクへ関心が注がれてます。

ここまで話をすれば私が一体何に危機感を覚えているのかを理解してもらえると思います。

首都圏といっても地域によって事情は異なります。神奈川県では神奈川県西部と三浦半島は人口減少地域です。

首都圏という範囲で括られてしまうと私たちの住む神奈川県西部が抱える深刻な問題は表に出なくなってしまうのです。

国の立場から全国を見渡すときに陥りがちな構造的な問題なのです。完全に見落とされてしまうのです。

「圏域」の問題に限らず常に大都市圏の周辺部が国の行政の支援から外れる理由は実はここにあるのです。

国行政の視点から見えないならば見えるようにする必要があります。関係する自治体の側が立ち上がって主張することです。

「圏域」の法制化問題で別枠であることを逆手にとって国の制度に縛られることなく「圏域」を強化することだって可能です。

神奈川県西部の首長の指導力で「圏域」として対応策を練る勉強会を立ち上げ全国に向けて逆発信すべきだと思います。