神奈川県大井町長選挙、衝撃の低投票率。
9日の日曜日、お隣の大井町長選挙が行われて前町議会議長の小田真一さんが初当選を果たしました。
何よりも私を驚かせたのはあまりの低投票率でした。48.37パーセント。一瞬見間違ったのかと思うほどの低さです。
4年前の選挙は5期目を目指した間宮恒行町長に対して新人の町議が一騎討地を挑む構図でした。
しかし選挙戦は盛り上がらずに58.21パーセントでした。私の住む足柄上地域で6割を切るとはと思いました。
今回の大井町長選挙は、間宮町長が引退を表明し次の時代をどう創るかを問う重要な町長選挙でした。
いずれも町議会議員の新人3人が立候補し激しい選挙戦となるのは確実と見るのが常識でした。
激戦は必ずしも投票率を押し上げるとは限らないのではありますが、ついに5割を切ってしまいました。
勝利した小田新町長も含めて3人の候補者全体で有権者の過半数に届かなかったことは全体としての敗北とも言えます。
なぜここまで投票率が下がってしまったのか、大井町関係者はもちろん周辺市町の自治体関係者は深刻に受け止めるべきです。
大井町は日本の高度成長時代真っただ中の1968年第一生命の大井町本社が営業を開始しました。
第一生命から入る豊富な法人税収の結果豊かな町の代表格的存在の一つでした。企業城下町の優等生でした。
経済のグローバル化の進展もあり本社は、2011年に東京へ集約され、一部業務は新事業所を建設し存続しました。
しかしその新事業所も撤退とのことで企業城下町としての大井町は完全に姿を変えることとなります。
町として分岐的に直面している訳です。なのに町長選挙は盛り上がらないまま終了してしまいました。
3人の候補者は懸命に思いを有権者に伝えたと思います。しかし有権者の心を揺り動かすことはできませんでした。
一方、有権者側も、日常的に調整に関心を持ちどこまで大井町が直面している危機を知ろうと努めていたかも疑問です。
また客観的立場から町の将来展望の深刻さを正確に伝える役目を果たすべき町行政としても責任があります。
さらに町議会としても議会活動において町民を喚起するに耐えるだけの議論を展開していたのかもあります。
候補者は、選挙に勝つため刺激を避けて漠然とした夢を語り当たり障りのない主張をしがちです。
有権者も今が良ければ特に関心を持たなくてもという受け身の姿勢が強く町政に関心を持とうとはしません。
行政は、成果を強調しがちです。これもやりました。あれもやりました。良いことづくめの印象を持たせがちです。
議会は行政のいわば隠そうとしている不都合な現実を鋭く突き議論を展開すべきですがそこまでできてません。
様々な要因が絡み合って選挙に行かない有権者が過半数を上回りました。しかし危機は容赦なくやってきます。
小田新町長は、有権者の関心を呼び覚ますことができなかった責任を謙虚に受け止めて今後の町政を動かし始めて欲しいです。
まず第一歩は正確な現状を町民や議会に伝え町として分けれ道に直面している認識を共有することからだと思います。