ゲストティーチャーは、語る。

日本大学三軒茶屋キャンパスで行っている教養特殊講義も先週で終わりました。残るはレポートの採点です。

年が明けて10日から始まり、10日と17日は、ゲストティ―チャーを招いた講義、24日は、世田谷区役所を訪問しました。

講義は、まちづくりおいて首長、議会、住民がどのように関わってい行けばよいか具体事例を紹介し考えてもらう内容です。

10日は、私の地元の「足柄の歴史再発見クラブ」の小学校での出前授業の話題を取り上げました。

中心となって活動している大井みちさんに小学生たちとの触れ合いによって得るものは何かを話してもらいました。

キーワードは、「生涯現役」です。生涯を通じて元気に社会に貢献することの大切さを学生に知ってもらいたかったです。

足元の災害の歴史を学んで、現場を観ながら子供たちや地域の皆さんに伝え防災のまちづくりに貢献してます。

学んで社会貢献して自らも元気になるというサイクルは、人生を充実させるひとつの在り方です。

こうした人生を歩むことができる地域社会が日本中に広がることは日本として目指すべき理想の姿です。

17日は、元毎日新聞の論説委員長で現在も専門編集集員として活躍中の倉重篤郎さんを招きました。

狙いは、学生にとって最大の関心事のひとつである簡潔でわかりやすい文章の書き方をプロに学ぶことでした。

倉重さんは、見出しがつけられればよい文章が書けると言い切ってました。見出しとは、何を言いたいかということです。

そこが決まればおのずとペンは走ります。根拠はふたつでは弱く3つ書くと説得力が増すともいってました。

倉重さんは、元政治記者ですので、政治についても語ってました。「まつりごと=政」の語源について話してました。

「政」という漢字のもともとの作りは、城に攻め込もうとして止まっている姿を表したものだということです。

「止まっている」というところが大切です。戦争になってしまっては双方に打撃が大きいということです。

政治の本質は戦いですが、戦いを止める技術でもあるのです。妥協の技術といっても良いです。

倉重さんは、足して2で割るのが最も簡単なやり方、もう一歩進めると、譲ることで妥協は成立すると話していました。

政治の根本原理を聞いた気分がしました。特に譲れるかどうか、ここが最も基本の作法だと思いました。

24日の最終講義は、キャンパスを離れ、東急世田谷線に乗って三軒茶屋から2駅目のところにある世田谷区役所を訪れました。

地方公務員志望の学生が多いので現場の雰囲気を少しでも味わってもらおうと思ったからです。

応対をしてくれた担当課長のことばが耳に残っています。「気か利く職員」を目指して欲しいということでした。

珍しい言い回しでしたので「どうしたらなれますか」と私が聞いてみました。「観察力を磨くことです」との答えでした。

周囲が何を欲しているのか常に観察する姿勢が「気か利く」職員へと成長する道とのことです。参考になるひとことでした。