国土強じん化と酒匂川水系自治体の対応

28日通常国会が始まり、安倍総理大臣の施政方針演説、国土強じん化について「異次元の対策を講じる」と打ち上げました。

3か年で総額7兆円強の対策をとるとのことです。この時代の流れは、したたかに活用すべきだと思います。

2009年9月に発足した民主党政権が「コンクリートから人へ」をスローガンに”土建国家”の転換を図ろうとしました。

2012年12月自民党が衆議院選挙で圧勝し政権に復帰してから再び土木関連予算が注目の的となりました。

政策を打ち出す際の冠としてかぶせられたのが「国土強じん化」で現在の自民党の二階俊博幹事長が最強の旗振り役です。

ミニ田中角栄的存在となった二階幹事長のところへ、単身乗り込んで直談判ができる町長がいます。

静岡県小山町の込山正秀町長です。込山町長の直談判手法は半端ではありません。突出しています。

小山町の最近の開発ラッシュのすさまじさは、町のホームページを見れば一目瞭然です。

この開発ラッシュ政策のなかに国土強じん化対策をも活用して政策として引っ張り込んでいます。

理由があります。小山町は、2010年9月8日の集中豪雨で激甚災害地域に指定されるほどの土砂崩れが発生しました。

ここからの再起に国費を投入させる手段として、国土強じん化に目を付けて予算確保を狙りました。4年前です。

林野庁の予算で70億円を確保し山地強じん化を推進しています。その一方でソフト事業での強じん化も行ってます。

子供たちも含めて地域住民に参加を求めて土砂崩れ防止のための小規模な土木事業を実施しています。

おととし、国土強じん化に向けた自治体の活動のお手本として最高ランクの金賞を受賞しています。

小山町は神奈川県西部を流れる酒匂川水系の最上流部にあります。同じ水系の自治体なのに対応がどうして違うのか疑問です。

何でもかんでも補助金獲得目指して突っ込めということを主張しているのではありません。

土木のハード事業には多額の資金を要しまちはもちろんのこと県においても懐具合は寂しい限りです。

公共性のある事業なのに民間が代わりにやってくれるはずがありません。国家予算に照準を絞るのは当然のことです。

こうしたどん欲さが神奈川県内の自治体には決定的に欠けています。他の地方に分捕られてしまうことになります。

神奈川県もかつてのような裕福さはありません。昔の幻影はかなぐり捨てていただくものはいただく発想が欲しいです。

酒匂川水系の話しにもどりますとし上流部の小山町だけが強じん化を推進しても、強じんにはなりません。

上流部から河口、海まで全体を見渡したうえで、水系としての強じん化計画を打ち立てる必要があります。

神奈川県、静岡県のふたつの県にまたがる水系を両者が共通の強じん化の対象として位置づけて対策に当たるとしたら画期的です。

両県がこうした新たな挑戦をするための土台となるのは、水系の関係市町が一体となって県へ強力に働きかけなければなりません。

水系の中心市である小田原市が一肌脱いて積極果敢な行動をとるべき時期だと思えてなりません。